Note 74: うどん県のゲーム規制に思う

香川県のゲーム規制条例が話題だ。

もともと、ファミコンの宣伝で高橋名人も「ゲームは1日1時間」と言っていたし、「若者のバイク暴走を禁止します」と言ってみたところで、やるやつはやるし、やっても捕まるわけでも、体罰を受けることでもなさそうなので、そんなに騒ぐことかって気もする。子供にとって大切なのは、1に睡眠、2に運動、3に勉強で、ゲームやマンガばっかりにかまけていたら、将来に暗い影を落とすこともあるかもしれない。

ていうか普通の親なら子供が何時間もピコピコやってたら怒るだろうし、ガチャに1万円も突っ込んでいたら大目玉だろう。こんなの、家庭教育の裁量の範囲で、わざわざ自治体が出てくるのも情けないけど、政治的な本を読むのを禁ずるとか、外国語を学ぶのを禁ずるとか言うのに比べて、そんなに影響はないんじゃないだろうか。なんだって禁止されるから面白いのである。

だが、不思議に思うのは、近々実施されると言われている、小学校でのプログラミング教育と、ゲーム規制はどう整合性を取るつもりですか、ということだ。

子供にプログラミングをさせるなら、まずゲームからだろう。で、プログラミングの次に待っているのはテストとデバッグだ。ゲームのテストなんて、1時間じゃぜったい終わらないよ。どうするのか。

学校の勉強でやってるならゲームもOK?
学校の勉強でやっててもゲームはNG?
「ローグ」みたいなテキストアドベンチャーゲームは英語の勉強やってるのと見た目変わんないよ。
そしてプログラミングの中毒性はなまなかのゲームよりも遥かに激しいのである。

子供が、暴力も振るわず、いじめにも加担せず、自殺もしないで、家でおとなしくピコピコやってるだけなら、別にやいやい言うこともない気もするし、進研ゼミのタブレット教材なんてあんまりゲームと変わらない。

ぼくはもう中年から初老に向かっている年代だが、さいきん覚えた人生観が「ゲーミフィケイション」である。
仕事が最も効率的だが、あらゆる義務をゲームとして捉える。
病気の治療も、数値を改善するゲームとして捉える。
イヤな奴の相手も「オトナごっこ」と思って乗り切る。

つまりなんでも遊び半分でやることで、何でもうまくいく。
この心構えがあるか、ないかで大きく違いますよ。
マジメぶって生きるだけが人生じゃないのである。

逆に、小中学生の子供に勧めたいのは、堅苦しい表紙の字の本の体裁をとった本を読むことだ。
推理小説であろうが、冒険小説であろうが、ファンタジー小説であろうが、SFであろうが、きょくたんな話エロ本であろうが、小さい字で難しいっぽく書いている本であれば、教師や親といったオトナは喜び、褒めてくれる。
チョロいものだ。

ぼくの家は厳しい家庭ではなかったけど、母親がテレビ嫌いであったので(家庭用ゲーム機はまだなかった)、字の本で乗り切った。字の本で人生を楽しむのは一生モノの宝であり、ブックオフで百円で本を買ってくればしばらく楽しめるし、怒られない。オススメだ。オトナなんかチョロいよ。

それにしてもオトナの政治家って、なんでもっと経済を活性化するとか、差別をなくすとか、貧困家庭を救うといったもっと大事なことに取り組まずに、子供の教育ばっかりいじくろうとするんだろうね。バカみたいだ。じっさい頭が悪いんだろうなー。

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(この項おわり)


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