イタリア旅行:宇宙に帰りたがった夫とローマで食べた美味しいもの
ローマはテーマパークだった。至る所にローマ帝国時代の遺跡があり、観光客で町中がごった返していた。オーバーツーリズムという言葉が頭を掠める。特にその前にトスカーナ地方を中心としたハイキングツアーに参加していて自然の中にいたから、そのギャップが大きかった。
私たちにとって初めてのローマで滞在も2泊3日と短いので、最低でも1日目にパンテオン(神殿)とコロッセオ(円形闘技場)、2日目にバチカン市国には行こうと計画を立てていた。着いてAirbnbに荷物を置いてすぐに地下鉄を使ってパンテオンに向かったが、降りた途端すごい人混みである。まるで混雑時の新宿駅か、昔の原宿のような混雑ぶりである。
ふと横を見ると夫の様子がおかしい。人混みが嫌いな夫から、宇宙に帰ることを促すウルトラマンのタイマーのように、「ここにはこれ以上いられない、静かなところに帰らないと」という危険信号が発信されているのが伝わってきた。
しかしここまできた。チケットも安くないお金を出して買った。頑張ってもらわなければと、夫を励ましつつパンテオンを目指した。まあ、豪華な建物だったけれど人が多すぎて私でさえゆっくりと味わうことができなかった。
そのままコロッセオにも行ったが、入場時間が決まっているので30分ほど待たないといけなかった。ローマ帝国時代にこれだけのスケールのものを作った技術には感心したが、二人とも人の多さにぐったり疲れた。その昔奴隷たちが動物や他の奴隷と戦わされていたのだという残酷さにもげんなりして、さっさと出て来てしまった。きっと二人ともHSP気味なんだろう。
すっかり都会疲れした私たちは2日目はバチカン行きは取りやめ、ローマの下町として知られるトラステヴェレという地区をのんびり散策することにした。ということで観光地巡りはいまひとつだったが、食事は楽しめたのでローマで食べた美味しいものを紹介したい。
Bar Allo Statuto
1日目の晩は疲れていたので簡単にピザを食べることにした。ここはAirBnBのホストに勧められたローマテルミニ駅から5分くらいにあるバーとピザ屋さん。イタリアに来て初めてのピザだったので他のピザとは比べられないが、アメリカのものと比べるとチーズの質が高くてびっくりした。今でもチーズの味を思い出すと口の中がとろけそうになる。
ちなみに6時くらいに行ったのでまだ夕飯には早かったのか、ピザを食べている人は少なかった。地元の若者たちが友達とワインなどを飲んでおしゃべりしている様子が楽しそうだった。
Regoli Pasticceria
ここは夫が歩いていて見つけたところで、2日目の朝、朝食がわりに来てみた。1916年に創業されたローマの老舗洋菓子店で、現在もレゴーリ家によって経営されているそうだ。
有名店のようで観光客、特にアジアからのお客さんが多かった。私たちは早めに行ったのでテーブルに座ることができた。
この店の名物はマリトッツォ(maritozzo)と呼ばれる、軽く甘い生クリームをたっぷり詰めたパンだ。半分以上生クリームだがフワッとしていて美味しい。そしてこれがまた濃いエスプレッソとよく合う。
トラステヴェレ
マリトッツォとエスプレッソの朝食をとった後はトラステヴェレに向かった。これは「テヴェレ川の向こう」という意味だそうで、ローマの中心から少し離れている。石畳の狭い通りや中世の建物が多く、また洒落たレストランやバー、お店も多くて観光客にも人気だがローマの中心地のようにごった返した感じはない。
曇り空で写真では暗い感じだが街は雰囲気があって歩くのは楽しかった。
Le Mani in Pasta
2日目のランチはThe Roman Guyというyoutuberのビデオで知ったレストラン、Le Mani in Pastaだ。記事で紹介する事を考えないでブラブラしているので入り口の写真がなくて申し訳ない。
一番乗りで入ったのでキッチンが見える特等席である。
シェフのてさばきに見惚れながら食事を待つのは楽しい。観光客より地元の人が多く、常連さんらしき人たちがシェフや店主に挨拶をしているのはこのお店が信頼されているサインだろう。
最初に出てきたのはグリルした野菜。味付けは多分、オリーブオイルと塩だけだが本当に美味しい。実はイタリアで特に美味しいと思ったのが、肉料理よりパスタ料理よりも、このグリルした野菜であった。
これが私の注文した本日のスペシャル、イカとアンティチョークのパスタだ。ソースにイカ墨が入っているそうだ。美味しかったのだが、微妙に中華そば風でもありちょっと国籍不詳の一品であった。
これは夫の注文したシーフードパスタ。安定の美味しさだった。
下の写真はツアー中の小さな街のレストランで食べたものだが、右が採れたてマッシュルームのグリルだ。これは今回美味しかったものの中で5本の指に入るほど満足した。松茸や椎茸のような香りはないが、旨味が素晴らしかった。
Gelaterria Giovanni Fassi
これはローマテルミニ駅から8分くらいのところにあるローマ最古のジェラートショップ。きっと有名だからローマに行く方はみなさんご存知だろう。流石に老舗だけあって美味しい。滞在中、2回(つまり毎日)通った。アメリカのジェラートやアイスクリームに比べて甘さが控えめで、それぞれの素材の味が際立っている。ピスタシオが特に美味しかった。
お店はとても広い。入って右手に会計があるのでそこでチケットを買ってから注文をするシステムだ。4フレーバーで4ユーロくらいだったと思うが、ハワイだと倍くらいしそうなのでお得感もあった。
さて2日目の夜について書く前に文字数が2500字になってしまった。2日目の夜はちょっと変わったものを食べたのでそのことはまたの機会に記事にしたい。ここまで読んでくださってありがとうございます。