後悔こそ、人間を人間たらしめるスパイス/書評『The power of regret』
「あなたの人生で、1番の後悔は何ですか?」
というスーパー重めの問に対して、「アメリカ留学しているときにハイウェイで便意に襲われて、泣きながら駆け込んだAmerican Bank(銀行)の受付のお姉さんに「ここにトイレはないよ!」と断られ、銀行のエントランスで野糞をしたことっス!(※)」と明快に答える人もいれば、過去の後悔なんて誰にも言えないという人もいることでしょう。
※筆者実話
日本語で”後悔”という言葉、どこかネガティブなイメージを帯びています。
ポジティブオーラーに包まれている国民的ヒーローたちが以下のように語っていたら、なんだかショックです。。。
「オラの今までの戦い、全部無駄だったかもしれない。後悔しか残らないよ…。」(孫悟空)
「もしかして、海賊王になるなんて夢、追いかけるべきじゃなかったのかな?後悔してる…。」(ルフィ)
対して、本書の著者ダニエルピンク氏は、後悔こそ我々の人生を豊かにする!と主張しています。
私たちの抱く固定概念を崩してくれそうな香りがプンプンしますね!
本書において紹介されていた実践例を中心に紹介していきます!
本書の要約はInstagramにアップしています。
気になる方はこちらをクリックし、ご覧ください!
主張について要約
後悔の名誉回復
後悔は人間の経験において自然であり、避けがたい感情だ。多くの人が「後悔しない」という姿勢を取るが、後悔を否定することは実際には自己成長の機会を逃すことにつながる。後悔にはポジティブな面もあり、適切に扱うことで精神的な成長や生活の質の向上に役立つ。後悔の感情を有効活用することで、意思決定の質を高め、パフォーマンスを向上させ、人生の充実感を深めることができる。
後悔は人間を人間たらしめるもの
人間は複雑な感情を持つ存在であり、後悔はその中でも特に強い感情の一つだ。後悔することで、過去の行動に対する洞察を深め、未来の行動を改善する機会を得る。また、人間は時間を超えて過去や未来を想像する能力を持つが、この能力が後悔という感情を生み出し、私たちをより良い人間にするプロセスを促進する。
人々が本当に後悔している事は?
後悔は主に四つの大きなカテゴリーに分類できる。基盤に関わる後悔は、将来のために正しい基盤を築かなかったことから生じる。勇気に関する後悔は、リスクを恐れて行動しなかった結果、成長の機会を逃すことから生じる。道徳に関する後悔は、他者に対する不正行為や倫理的な誤りから生じる。つながりに関する後悔は、人間関係を大切にしなかったことによるものだ。これらの後悔は、人生における重要な教訓を提供し、未来に向けてより良い選択をするための指針となる。
後悔とどのように向き合うか
後悔と上手に向き合うためには、まず後悔を認め、その感情を深く理解することが重要だ。自己開示、自己慈悲、そして自己との距離を置くことが、後悔から学び、成長するための鍵となる。さらに、未来の後悔を予測し、今の選択が将来にどのような影響を及ぼすかを考えることで、より良い意思決定を促すことができる。
本書『パワーオブリグレッド』は、後悔という感情が持つポジティブな側面と、それを生活の質の向上に役立てる方法を示している。後悔は避けがたいが、適切に対処することで人生を豊かにする強力なツールとなり得る。後悔から学び、成長し、充実した人生を送るためには、後悔を恐れず、それを受け入れて前に進む勇気が必要だ。
実践的な”後悔ワーク”
以降は私が本書を読んだ上で、実践したいワークを紹介します!
①失敗の履歴書
自分が犯してきた数々の失敗から教訓を得るために、「失敗の履歴書」を作ってみましょう!
教訓例)アメリカの銀行は、日本の銀行と異なり顧客向けのトイレがない。トイレを目的に銀行に行くな!
②「新年の誓い」だけでなく「旧年の後悔」を作る
新年に目標設定をする人が多い。しかし、旧年の目標を振り返る人は少ない。さらには、旧年の後悔まで文章化する人はもっと少ない。
旧年の後悔こそ、新年の誓いのヒントにしましょう!
③ワールド後悔サーベイに参加する
他の人たち、とりわけ先人たちの生々しい後悔は刺激になります!
ワールド後悔サーベイはこちらから
④プレモーテム
プレモーテム(事前検死)はビジネスで使用されるフレームワークです!
職場のチームが、脳内で未来にタイムトラベルし、まだプロジェクトが始まっていない段階で全てが裏目に出る最悪のシナリオ思い描きます。そのシナリオ活用して、失敗を未然に防ぐ方策を考えるのです。
ハーバードビジネスレビューでもまとめられているので、こちらの記事をご参考ください!
まとめると、カレーにはクミン、カルダモン、フェヌグリークなどの強烈なスパイスが入ってますが、同じく人生にも深みや複雑さを加えるために後悔というスパイスが必要ということです!←かっちょいいハラスメント
最後までお読みいただきありがとうございました!