今、世界に必要なのはエモい人|ストーリーテリングでエモさを磨く
セッションの紹介
ATDにて受講したセッションを掘り下げて紹介、考察していきます!(Part3)
ATDにてG. Riley Mills氏の『エンゲージメントのためのストーリーテリング』を受講しました。彼は、コミュニケーションとパフォーマンスの専門家であり、効果的なコミュニケーションは演技の技術から学ぶことができると主張しています。彼の共著書『The Pin Drop Principle』では、物語の力を活用し、パフォーマンスベースのアプローチでメッセージを伝える方法を探求しています。」
今、世界に必要なのはエモいリーダー
先んじて、私の見解からお伝えします。
社会環境の変化によって求められるリーダーシップ像が異なります。
変化の激しいVUCA時代において、これまでの時代と何が決定的に違うのか。それは【答えがないこと】です。
以前は社長や上司、リーダーが答えを持っていたので、リーダーの仕事は部下に指示を伝え、適切に導くことでした。
つまり、指示書があるので、指示書を語るだけでよかったのです。
一方、変化の激しい時代では過去のノウハウや経験が通用せず、前例にとらわれず変化していく必要があります。
リーダーは部下に指示を伝えるのではなく、部下から考えを引き出し、一緒に答えを作っていかねばなりません。
要するに、「指示書のない時代」に突入しているのです。
「答えはある、あとはやるだけ」の時代から
「誰も答えがわからない。答えを一緒に作りに行く」時代に変わったのです。
答えのない時代では、メンバー以上にリーダーが大きな不安を抱えます。
今進んでいる道が正しいのかわからない。それでもやらなければならない。背筋が凍ることでしょう。
だからこそ、今世界に必要なのは「エモいリーダー」なんです。
困難なプロジェクトに直面したときに、リーダーが情熱的にビジョンを語り、チームを鼓舞することで、一丸となって目標に向かって進むことができます。
答えもない。指示書もない。
それでも、リーダーはストーリーを描き、ビジョンを語り、
部下を導かねばなりません。
リーダーが情熱的、情理的にストーリーを語ることで、求心力のある組織ができます。
あなたの周囲にも1人くらいは「鬱陶しいくらいエモい人」がいるのではないでしょうか。
周囲の人々を惹きつける、洗練されたストーリーは武器になります。
人の琴線に触れるストーリーは、エモエモしいのです(造語)
エモさの欠片もない話には、誰も近寄ってきません。
ストーリーテリングはエモさを表現する最適な手段です。
「エモい」は感情を表す言葉ですが、ストーリーテリングは後天的に身につけることができるスキルです。
リーダーの方は、ぜひストーリーテリングを学んでみてください。
セッションの要点
ストーリーテリングの目的
記憶に残るメッセージを作る:
情報を感情に訴える物語に変えることで、聴衆の記憶に残りやすくする。共感を引き出す:
物語を通じて共感を生み出し、聴衆との関係を深める。
ストーリーテリングの重要性
ストーリーテリングは情報を記憶に残りやすくするため、ビジネスにおいて非常に有効です。情報を物語として伝えると、記憶に残る可能性が数倍高くなるとされています。
The Pinnacle Methodの3ステッププロセス
導入(Exposition):
誰が、どこで、いつ、という基本的な情報を簡潔に伝える。対立と緊張(Conflict and Stakes):
物語の中で対立や緊張を見つけ出し、それが重要である理由を示す。中央の質問に答える(Answer the Central Question):
物語の核心となる質問に答え、曖昧さを避ける。
劇的な物語構造
導入:
物語が始まる主要な出来事を紹介します。なぜ今日が他の日と違うのかを示します。旅(Journey):
聴衆を物語の旅に連れて行きます。
プリズム・オブ・プライオリティ(Prism of Priority)
なぜそれが重要か?:
聴衆にとっての意義を説明します。何を学んだか?:
得られた教訓を共有します。何が変わったか?:
物語がもたらした変化を伝えます。
パフォーマンスの技術
ボディランゲージ:
非言語的な手段でメッセージを強化する。声のトーン:
感情や緊張感を伝えるために声の強弱を使い分ける。視線の使い方:
聴衆とアイコンタクトを取り、信頼感を醸成する。