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特別扱いに飢えている女

愛は特別扱いであり、贔屓である。

付き合っている恋人はその辺の他人よりも大事に感じるだろうし、家族になれば他の誰よりも贔屓するだろう。

川で見知らぬ他人と家族が溺れていたら、まず家族の側から助けるのが一般的な愛の形である。

これと真逆なのが「博愛主義」と呼ばれるもので、他人も家族も平等に扱う考え方だ。

こういう人は身近な人からすればとても冷たい人に感じられる。川で家族が溺れていたというのに、「位置が近かったから」という理由で見知らぬ他人から助ければ家族は怒るだろう。

つまり、一般的な愛の形は特別扱いであり贔屓なのだ。

この特別扱いというものを付き合う前から求めてしまう人がいる。特別扱いに飢えているのだ。

付き合ったり、それこそ家族になればいくらでも特別扱いはしてもらえるものだが、これを付き合う前に求めてしまう。

特別扱いされてきた経験や時間が少ないのだろう。満たされていないのだ。

だから特別扱いを焦って求める。

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