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認知症を幸福への扉にする、夢のヴィレッジ 〜後半〜

続きです。

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東京小平市にある、この敷地は、戦争中、精神に傷を負った軍人のための、診療と保養を兼ねた療養所でした。「ための」というと聞こえは良いですが、閉ざされ隔離された場所だったことは確かです。でも、こんな広い敷地ですから、彼らは雑木林の間を、もし歩ければ、存分に歩くことができたでしょう。農作業や軽い運動、絵画など、デイケアのようなことも早くから行われていたようです。

1945年に戦争が終わり、ここは国立の精神科病院となりました。
大きな桜の木が植えられています。樹齢は分かりませんが見上げるほどに大きいです。自生ではないと思うので、昔、患者さんとスタッフが植えたのではないでしょうか。
ここから出られない人達にとって、ここは「生活の場」でした。

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話はオランダの認知症村ホフヴェイに戻ります。
ホフヴェイの村づくりは、とても面白いです。
どんな環境を提供すれば、認知症の患者さんが「今もっている能力」を最大限引き出せるか?
ホフヴェイは患者さんの能力を引き出すため、ここを介護施設ではなく「村」にしました。
受け身でお世話される施設ではなく、自分が生きる「生活の場」であることが大事だというのです。
自分が生きる場所。生活する場所。だからこそ、人は生きる力を発揮できる、というのです。

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話を東京都小平市に戻します。
戦前、戦中、戦後の日本では、精神を患った方達への処遇は未成熟でした。<ケアするーケアされる>といった立場主義が、ともすると本質を損なうということも、今は知ってきています。

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ここをを歩きながら、この土地の機が熟しているのを感じます。
本来、あるはずだった姿へ、生まれ変われないだろうか。
この場所は、長い間、難治性の病気と共存してきたのです。
難治性疾患の完治。だれもがその道を夢見ますが、その道幅はもっと広いはず。私はそう思います。
ここに認知症村がつくれたら、と今日も思ってます。

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