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QUARC動物病院 手術ノート

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QUARC動物病院で行なった手術の内容を紹介します。
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記事一覧

手術note23 大腿骨遠位変形骨切術を実施した再発性膝蓋骨内方脱臼の症例

症例 サモエド、1歳3ヶ月齢、避妊メス 両膝関節に膝蓋骨内方脱臼グレード2があり、他院にて右…

QUARC動物病院
2週間前
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手術note22 副腎腫瘍の摘出

ヨークシャー・テリア、9歳、オス 多食、パンティング、腹囲膨満、皮膚の菲薄化などがあり、か…

QUARC動物病院
1か月前
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手術note21 棘細胞性エナメル上皮腫

12歳の柴犬が棘細胞性エナメル上皮腫の再発の治療で来院しました。 かかりつけの動物病院での…

QUARC動物病院
2か月前
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手術note 20 絞扼性イレウス

3歳、去勢オスのポメラニアンが嘔吐と元気消失で来院されました。 来院前日からの急性の嘔吐と…

QUARC動物病院
3か月前
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手術note19 回盲部の肥厚病変

回盲部の肥厚病変の手術を行った犬の患者さんを紹介します。 患者さんは雑種犬(チワックス)…

QUARC動物病院
6か月前
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手術note18 猫の膀胱憩室

6歳、去勢オスのスコティッシュフォールドが膀胱憩室疑いで来院されました。 3ヶ月間で4回の細…

QUARC動物病院
6か月前
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手術note17 門脈体循環シャント

犬、シーズー、11ヶ月齢、メス ホームドクターさんで避妊手術前の血液検査で肝酵素上昇が見られた。その後、尿検査で尿酸アンモニウム結晶が見つかり、総胆汁酸(TBA)で食前 400μmol/l以上、食後2時間 210μmol/lと高値を示したため、門脈体循環シャント(PSS)が疑われました。他施設でCT検査を実施、左胃静脈-横隔膜シャントと診断された症例です。 術式  :門脈体循環シャント結紮術 手術時間:142分 麻酔時間:113分 手術は腹部正中切開で開腹、胃を尾側に牽引

手術note16 気管虚脱で呼吸困難の犬

8歳のポメラニアンが呼吸困難で来院し、レントゲンで重度の気管虚脱と診断しました。 以前から…

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手術note15 尿道の動的な屈曲による排尿困難の猫

11歳の未去勢オスのメインクーンが排尿困難で来院されました。 1週間前から排尿姿勢をとるが排…

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手術note14 猫の肛門嚢アポクリン腺癌

肛門嚢炎を繰り返している猫(雑種、14歳、避妊メス)で肛門嚢の腫瘤がみられたた患者さんです…

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手術note13 短頭種閉塞性気道症候群

短頭種閉塞性気道症候群(以下、BOAS:Brachycephalic Obstructive Airway Syndromeとします)…

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手術note12 大腿骨遠位骨幹端粉砕骨折の猫

サイベリアン 10ヶ月齢 室内でおそらくキャットタワーから転落し、左側大腿骨遠位骨幹端粉砕…

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手術note11 犬4ヶ月齢の脛骨骨折を非観血的創外固定で治療した一例

 柴犬4ヶ月齢が人の手から落下し脛骨が骨折したとのことでご来院されました。脛骨は骨幹部で…

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手術note10 唾液瘤の手術

6ヶ月齢の猫さんが口腔内と下顎部の液体の貯留で来院されました。 唾液瘤(唾液嚢腫)と診断して手術を行いました。 術式  :下顎腺/舌下腺切除、開窓術、(同時に避妊手術) 手術時間:74分 麻酔時間:115分 まずは下顎腺と舌下腺の摘出から行いました。 仰臥位に保定します。 罹患側よりの傍正中で切皮し、嚢胞構造を確認します。 嚢胞構造を血管や神経の走行に注意して分離します。 嚢胞に付随する下顎腺と、それに続く導管と舌下腺を同定します。 下顎腺自体は嚢腫になっていないの