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セーフティネットとしてのロックバランシング

ロックバランシングはメンタル面のセルフセーフティネットになります。
パンデミック下で身に染みたと思いますが、大災害や大事故などが起きると、自分の心を癒すものとのふれあいができなくなる場合があります。
映画や演劇、遊園地、レジャー施設など、誰かが制作・運営している娯楽コンテンツや、アイドルとか有名人のいわゆる「推し」は、自分以外の何ものかが主体となっていて、その何ものかが動けなくなった段階で供給が停止されます。
普段そうしたものだけを自分の心の拠り所にしていると、有事に一発で詰むことになります。そうしたものの他に、誰にも頼らず自分でできる心のケアのネタを持っていると救われます。
それには創作活動が有効ですが、特にロックバランシングが優れているのは、石さえあれば他に何も要らないことです。誰かが作った道具を買う必要もなく、特別な材料も設備もいらない。石のそばに自分がいるだけでいいんです。

人間はどんなに悲惨な状況になっても、それが長引けば、その苦しい状況の中で、ちっぽけでも何がしかの喜びを見つけるしかありません。それが見つからなければ、衰弱する一方でやがて命を落とすことになります。自分が監禁され、身動きできないような、かなりレアな危機的状況でない限り、自分がやりたい時にロックバランシングはやれるのです。行動が制限された現在のパンデミック下でも私は、仕事エリア近くの誰もいない広い河原で、自宅の部屋でロックバランシングを存分に楽しんでいます。

今、世界は大荒れとなり、今を生きる大半の人がかつて経験したことがない悲惨な状況すら想定される情勢になってきました。これを協力し合って乗り切る努力をするのは当然ですが、思うようにならない状況もあり得ます。自らを守るすべとしてセルフセーフティネットを用意しておきたいところです。
極端な話、全財産を失っても生きていればロックバランシングをやることはできます。モノの供給網、交通手段が崩壊したとしても自分の体が動くのならばロックバランシングはやれます。これは究極のセルフセーフティネットと言えると思います。

それに本来セーフティネットというものは非常時に有用になるものですが、このロックバランシングというセーフティネットは平常時であっても、いや平常時はもっと楽しむことができます。良いものができたなら自分だけでなく他人にも見せて楽しませることができます。こんなに強いものは他にあるでしょうか。自分の労力以外、何も消費しないから、環境への負荷もなく、誰にも迷惑がかかりません。

ロックバランシングの作品は儚く残りません。だからその魅力に触れていない人からは「石を積むのが一体何の役に立つんだ」みたいな言われようをすることもあります。しかし、覚えたらこんなに心強く、役立つものは無いと自信を持って言えます。

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