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【読書記録】江國香織著『がらくた』に寄せて

まだ三月だというのに海辺の日差しはとても強かった。

白っぽくて刺すような太陽の光。
肌がじりじりと焼けていくのが分かった。
コンクリートの大きな段々に腰掛ける人の中には日傘を差す人も多く、自分も次は日傘を持ってこようと思った。次がいつになるか分からないけれど。

前来たのは去年の夏だった。夜、ライティングを見たのを覚えている。黒のサマーニットにジーンズで、白い皮のサンダルを履いていた。

はしゃぐ子供たちの声を聞きながら、砂浜に座り込んで文庫本を開く。物語も海辺で始まった。

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