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2023年10月 NYCの学会でプチBuzzした話
毎日何かに追われていて、振り返りたくても必死に匍匐前進していたので今更昨年10月に参加した、Fablearn/Constructionism学会での経験を書き残しておきます。
この学会はFablearnというものづくりによる学びを研究する学会と、Constructionismという歴史的に構築主義という学習理論を支持する学会の併催された学会でした。アメリカのニューヨークにあるコロンビア大学で教員を目指す方が学ぶTeacher's Collegeが会場でした。
なぜこの学会に参加したのか
私の活動を研究としてまとめようとすると、その発表先として候補に上がるこれらの学会の雰囲気を知りたくて参加しました。
Fablearnのようなものづくりを学びにつなげる活動は、私の取り組んできたプログラミングワークショップなどもフィットしますし、Constructionismについては私のよく使うScratchを辿ると必ずたどり着く歴史的人物が多く関わった学会ということになります。
今回は似た方向性のDC学生と一緒にリサーチツアーとなりました。(仲間がいるのは心強い)
個人的には2018年のScratch Conferenceや上海国際STEM科学教育製品博覧会以来の海外国際学会でした。
何がプチBuzzしたのか
Constructionismに参加する研究者は歴史上の人物と言っても過言ではない方々が多くいらっしゃいます。今回私がお話ししてみたいと思ったのはシンシア・ソロモンさんで現在はカルフォルニアにあるエクスプローラトリウムに在籍する研究者です。Scratchの歴史を辿ると出てくるLOGOというプログラミング環境をシーモアパパートと一緒に作っていた方で、LOGO財団のメンバーでもあります。
彼女は今回の学会にTurtleStitchというLOGOを使った刺繍ミシンを用いた教育活動をLOGO の未来の姿として発表していました。もちろん私も興味があったので見に行きました。過去にScratchカンファレンスで対面やオンラインでお会いしたことはあったけど、私を覚えていることはないだろうというくらいの関係です。
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発表ポスターについて少し言葉を交わし「私の作品を見せても良い?」と聞くと「どんな作品か見てから考えるわ」とOKを貰うことができました。ここしばらく取り組んでいるScratchのペン機能を使った作品群を見て貰おうとScratchのサイトを開くと「私はスクラッチ好きじゃないわ」とLOGOにこだわる様子を見せつつこちらも怯みましたが「あなたの刺繍LOGOと同じで未来のタートルの一つだと思うから見てほしい」といっていくつかの作品を見て貰いました。
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特に気に入ってくれた作品の動画
しばらくして「本当にこれはタートルグラフィックなの?」と言って中を見るボタンでコードを見せろということになりました。コードタブを開いてブロックを英語モードに切り替え、気になる部分を拡大しながら熱心に見てくださり「確かにペン機能を使ってるタートルグラフィックスね」と言ってからがすごかった。次々とLOGO財団のメンバーや研究者の友人たちを呼び寄せて「彼の作品を見てごらん」と私のことを紹介してくれました。
こんな感じでさまざまなセッションで私の顔を見ると「次はあの人に見せなさい」と学会の期間中とても良くしてもらって、私も作品を見てくれた方とさまざまな議論ができました。
発表者でもないのにちゃっかりという気もしましたが、その筋の方にこれだけ評価いただけるとは思っておらず、こちらはちょっとしたあそびのつもりで作ったものも持っていく先があるのだなぁ身をもって経験しました。
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次のConstructionism学会は2025年ということなのでその時は、自分の発表を持って参加して、またしっかり見て貰いたいなと感じました。
今年度の心残りを記録に残したので、来年度も研究進めていきますよ!