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認知症のケアプランについて

ケアの流れはAPDCサイクル

ケアの流れは、APDCサイクルです。
Aはアセスメント、Pはプラン(計画)、Dは実行、Cはチェック(再評価)で、この流れに沿って行われます。

アセスメントは、「評価と分析」で各種の評価・調査を実施し、それをさまざまな視点から相互的、複合的、総合的に分析し、本人のニーズを把握する過程です。

プラン(計画)は、目標とケアの実行内容からなり、目標はさらに長期目標と短期目標に分類されます。

実行は、計画で立てられた内容を日々実際に提供することです。
実行の際には、きちんと実行されているか、その結果どうかなどを「監視」するための「モニタリング」を定期的に行います。

モニタリングでは、「実施」「効果」「満足度」について調査するとよいでしょう。

チェック(再評価)では、実施してきたケアにより、本人がどの程度変化したかについて評価します。
ここでは、アセスメントで評価したこと全てを再度評価する必要はなく、ポイントとなる部分のみの評価で構いません。

APDCサイクル

A:アセスメント(評価と分析)
さまざまな視点から相互的、複合的、総合的に分析し、本人のニーズを把握する。

P:プラン(計画)
目標(長期目標・短期目標)とケアの実行内容からプランを立てる。

D:実行
計画した内容を実際に提供する。
「実施」「効果」「満足度」について調査する。

C:チェック(再評価)
実施してきたケアから本人がどの程度変化したかについて評価する

A:アセスメント(評価と分析)に戻りサイクルベースを回す

目標の6要素(目標の立て方について)

目標には「長期目標」と「短期目標」があります。
目標はケアの方向性を決める重要なもので、6つの要素を満たす必要があります。

6つの要素とは①具体的であること、②生活に密着していること、③達成できること、④達成するために一定の期間と努力が必要なこと、⑤当たり前のケア内容でないこと、⑥本人が乗れること、これら6つです。

①具体的であること
目標は具体的に定める必要があります。
そのためには、5W3Hをきちんと表現することがポイントとなります。
特に「いつ(いつまでに)目標を達成するか」という目標達成時期の設定は必須です。

②生活に密着していること
介護は生活を支援する技術です。
従って、ケアの目標も生活に密着したこと、生活行為でなければいけません。ただし、短期目標はこの限りではありません。

③達成できること
目標は達成するために設定されるものです。
従って、初めから達成が不可能なことは目標にしてはいけません

④達成するのに一定に期間と努力が必要なこと
環境や道具を工夫することで、すぐに達成できることは直ちに実行に移します。特に高齢者はいつ体調を崩すか分かりません。
今できることは今行いましょう。

⑤当たり前のケア内容でないこと
ケアとしてみんなに当たり前に実施しなければいけないこと(転倒予防、筋力低下防止、糖尿病などの疾患の悪化予防、本人が気持ちよいと感じる温度の風呂に入浴することなど)は、当たり前のこととしてケアで実施するので、目標になりません。

⑥本人が乗れること
当たり前のことですが、目標もケアも本人のために行われるものです。
従って、「この目標なら私も乗れる、頑張れる!」というものでなければいけません。

目標と結果の関係

目標は客観的でなければいけません。
それは、「目標を達成したかどうか判断する」必要があるからです。
目標と結果の関係は、目標レベルと達成の可否で以下の6種に分類できます。

1.理想目標>現実目標(理想の目標より低い目標を設定した場合)
①達成できた場合:達成できて当たり前で「目標設定力」を養う必要あり
②達成できなかった場合:低レベルの目標さえ達成できなかったので、問題が大きい

2.理想目標=現実目標(理想の目標どおりの目標を設定した場合)
③達成できた場合:目標もその後の実行もとても良好で望ましい状態
④達成できなかった場合:実行内容またはその技術レベルに問題あり

3.理想目標<現実目標(理想の目標よりも高い目標を設定した場合)
⑤達成できた場合
革新的な技術や視点が生まれた場合
⑥達成できなかった場合
当然の結果だが、「目標設定力」を養う必要あり

ここで、本当に良い利用的な目標を「理想目標」と呼び、実際の目標を「現実目標」と名付けます。
現場では①~⑥のような状況が起こります。
理論的に、それぞれで目標が達成できた場合とできなかった場合が発生します。

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