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職員定着で見落としてはいけない原則
私たちはついつい見落としてしまうことがあります。
それは『初心』です。
みなさんが初めて社会に出た時、みなさんが初めて介護の仕事をした時、どんな心の在り方だったでしょうか?
そしてそんな時、『助けてくれた!』『頼りになった!』そう思った当時の先輩はどんな姿をしていたでしょうか?
そして、みなさんも今、その先輩のようになれているでしょうか?
知識や技術が先行し、経験の浅い職員の『活躍の場』を奪ってはいないでしょうか?
今回の記事は、日本通所ケア研究会事務局小川さんと何気ない会話をしていた時に、感じることができた貴重な情報です。
その情報を基に、この超人材不足時代にいかに人材を定着させるかについての発見がありましたので、ご紹介させていただきます。
ぜひ、最後まで読んで頂きたいです。
答えが分からないから不安になる
小川さんは著名な先生方のセミナーを企画・運営し、先生とコミュニケーションをする過程で膨大な介護知識に触れてきた方です。
先日、そんな小川さんが現場体験をした時の話です。
フロアにいる小川さん。
水分補給の時間帯
『Aさん、お水を飲まれませんか?』と声をかけました。
もちろん、ご利用者はリアクションをしていると思いますが、見た目では全く分かりません。
この瞬間、小川さんは『恐怖』に襲われました。
「ご利用者は本当に飲みたいと思っているのだろうか…?」
「心の中では、自分に対して怒っているのではないか…?」
ご利用者の信頼関係も築けていない、目の前のご利用者の情報が少ししかない状態で、良かれと思って飲んでいただこうと試みたら、大変なことになるのではないか・・・
一瞬にして様々な思考が脳の中を駆け巡り、パニックになったそうです。
この現象に、「ベテラン」とか「新人」とかは関係ありません。
そこの現場では当たり前の光景かもしれないことが、非日常の人からしたら不安になるものです。
想像してみてください。
みなさんも、明日、急に転職する事になったら不安になりませんか?
今まで過ごしてきたコミュニティとの違いや人間関係の深度の違い、仕事の進め方の違い、全てが未知だからです。
『わからない』ということは『恐怖』を創出する要因なのです。
これを野放しにしていては、職員定着なんて起こり得ません。
小さな成功体験を積み上げていく大切さ
では、どのような関わり方をしていくことが大切なのでしょうか?
答えは簡単です。
・寄り添うこと
・たくさん成功させてあげること
でも、忙しい業務の中、そんな時間がない!そう言ってしまう人やそうさせてしまう環境が、『恐怖』という感情を創出させる原因を作っています。
成功体験を簡単にいうと、人から感謝されることです。
最初に、掃除をしてもらったり、お皿洗いをしてもらったり、誰でもできることからスタートすることが大切です。
そして、当たり前ですが、雑務をバカにしてはいけません。
雑務を雑に考える人が良い仕事を任せて貰えるわけがないからです。
掃除やお皿洗いの大切さを教えながら、出来たことにたいして全力で『ありがとう』を言いましょう。
存在承認をすることです。
この行動は、寄り添っているし、成功もさせていますよね?
さらには、雑務の大切さを伝えています。
お部屋の隅のホコリにあなたが気づいていて、それを見過ごしているなら、ご利用者はもっといろんなことに気が付いているよ?
そんないい加減な気持ちで掃除をするということは、ご利用者に対してもホコリを隅にためた空間にいてもらうことが妥当だということになる。
絶対に妥協してはいけないのよ?と。
そして、送迎についていき、送迎の大切さを学ぶ、
ご家族との関りを横で見たり、時には失敗を見たり、スローパーの使い方を見たり、フロアでの接し方を見たり・・・
そうやって多くの情報に触れることで、分からなかったことが分かるようになっていきます。
ここで、はじめて『やってみる?』です。
職員に寄り添っていないのに、いきなり業務をさせるようなことでは、本質的なマネジメントからかけ離れています。
しっかり、職員に寄り添い、小さな成功体験をさせてあげて下さい。
時間がないのではなく、時間を作るのが仕事
忙しいという言葉をたくさん使っている人がいますが、そういった人が間違いなく職員定着を妨げています。
なぜなら、時間がなければ寄り添えないし、成功体験を考えることもできません。
介護保険では通所介護事業所の管理者は兼務に支障がないと認められる場合に介護職員として兼務ができます。
兼務している管理者さん、本当に支障がないんですか?
職員により添えていない、1人ひとりの職員とコミュニケーションが取れていない、表情を見ただけで何を思っているのか理解できない。
そんな状態であるなら兼務をする資格はありません。
管理者は、常勤専従が原則であると定められています。
定められているんです!
他産業ではこんな親切なこと教えてくれません。
自分達でこのことを導き出すしかないのです。
しかし、介護保険では人員基準という名目で、専従が必要なほど大切な業務が管理だと教えてくれています。
勤務表、シフトボード、法定書類、各種申請、契約、クレーム対応など、様々な業務があると思いますが、大切なのは寄り添うことと、成功させてあげることです。
あくまで人基軸です。
だからICTやIoT、クラウドツールやWEBアプリ、フリーソフトウェアなど、様々なものを駆使するべきです。
勤務表が難しいのであれば、ジョブカンを利用したり、請求書作成はINVOYを使ったり、記録は請求までの一通ソフトを使ったり、連絡はLINEやチャットワークを使ったり、遠隔会議はZoomにしたり、情報共有はicloudを利用したり・・・
山のようにツールは揃っています。
あとは、暇な時間を作ることです。
そして、暇であることで、心のゆとりが保たれ、目の前の職員に対して向き合うことができます。
忙しくするのであれば、目の前の職員と寄り添うこと
目の前の職員の成功を生み出すことに忙しくなりましょう。
受け止めることと受け入れること
管理職のみなさんはもう気付いていると思いますが、他人を変えることはできません。
遅刻をしてきたからといって『何遅刻してんだ!』と怒っても、その人が変わらなければ変わることはありません。
そして、昨今よく見かけられるレギュレーションで縛り上げるようなことをしても、長期的な回復は見込めません。
なぜなら規制をするということは、その人を抑制することになるからです。
もちろん規制は必要です。ただ、どの段階かが重要なのです。
最初にやることは、『寄り添うこと』です。
なぜなら、マズローの欲求階層にもある承認欲求と自己実現には土台がいるからです。
その土台は『見て貰っているな』とか『寄り添って貰えているな』という感情を後輩が持つという状態です。
この土台ができていないのに、承認承認といって褒めても意味ありません。
『Aさん凄いね!』と褒めても
『こういう時ばっかり良いこと言いやがって』
というマイナス感情を生み出すだけです。もちろんみなさんの前では良い顔しますが。
だから、日々の『寄り添い』が必要なのです。
そして、共に成功体験を積み上げていくことで、お互いの間に信頼関係が生まれるので、叱っても、褒めても受け入れて貰えるのです。
『また気づかせてくれた!ありがとう』
叱っても、こう思ってくれます。これが受け止めると受け入れるの違いです。
みなさんの言葉は受け入れられているでしょうか?
一方的な信頼関係で、受け止められているだけで終わっていないでしょうか?
ぜひ、今一度、『初心』に帰り、『寄り添う』ということの重要性を考えてみて下さい。
職員定着で見落としてはいけない原則 おわりに
今回は、小川さんに『寄り添うことの大切さ』と『成功体験の重要性』=職員定着につながるのでは…ということを教えて頂きました。
実体験をすぐにアウトプットして下さり、ありがとうございます。
こういった話の中で、ブレストしたり、ディベートをすることで情報価値が大きく高まっていくのだと思います。
小川さんは、いつも考えている人です(笑)
日本通所ケア研究会で実施するセミナーでもいつもそう。
ビジネスモデルを長く研究していると、どうすればお金儲けができるかは容易に分かります。
だから、どんな研修をすればみんなが興味をもって参加してくださるかは知っています。
けど、小川さんはそんな決め方絶対にしません!
絶対にです!!
人が来なくても、今後絶対に必要になる情報をセミナー化して発信しています!
そこに全力投球なのです。
人が想像していたものより集まらない時…
「なんで気づいてくれないんだろうって。」
もちろん本人の広報力の部分も大きいと思います。
だけど、もう少し本質を知ってみませんか?触れてみませんか?
そうすることで新しい自分と出会えると思うのです。
そして、今回は小川さんからの話で、私自身が新しい自分と出会えました。
この記事を見ている方にもいるかもしれません。
本当に感謝しています。
そして、みなさんも新しい自分とどんどん出逢って、たくさんの幸せを生み出していきましょう!
そんな自己創出の場を下にリンクで貼らせてもらっています。
ぜひ、参加ください!小川さんとも逢えます(笑)
それでは、新しいみなさんとお逢いできることを楽しみにしています。
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