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オニツカタイガーがすごい件|ブランディングと商売
オニツカタイガーの表参道フラッグシップ店で見た驚きの光景と、スニーカーブームの変化とは?
Voicy No.350 2023年8月28日放送
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(倍速なら5分で聴けます)
即時性・同時性の時代に
俺はオニツカタイガーを称賛したいわけではなくて。
いくつか感じたことをまとめて話すには象徴的だったので「オニツカタイガーのすごい件」というテーマで話してみます。
多面的な切り口があるので、伝わりやすいからオニツカタイガーを置いているのはあるかな。
音声コンテンツとか、スマホを介したコミュニケーションとしての情報発信は、速報性・即時性が大事。
「今」の話をしたいわけです。
消費が増えている
俺は街歩きが好きな「お出掛けマン」です。
休みの日に表参道・青山辺りを見て回っていたら当然、お店にもカフェにも入るし、何か新しいものができていたらのぞいてみるのですが、とにかく人の数がすごい。
いろいろ回りまして、「東京都市部の消費が現時点(23年8月の記事です)でむちゃくちゃ増えている」というニュースを、どう捉えるか考えてみます。
お金が回り始めている場所が特徴的にできていて、レストランもすごいことになっているのは、「街歩きしまくることの効用」という回でも言ったとおりです。
青山・表参道をぶらぶら歩いていて、夕方、表参道のオニツカタイガーのお店に入りました。
表参道ヒルズのすぐ裏にあって、昔はあまりいい場所と思えないところにオニツカタイガーがあります。おそらく世界最大のフラッグシップ店がうまくいったので、周りを借り増ししていったのです。
日本メイドというコンセプトのお店とか、「THE ONITUKA」というプレミアムラインのスニーカーだけに限らない靴も含めて、3~4店舗ぐらい連なっているフラッグシップ・エリアがあります。
俺がそこによく行くのは、2002年にブランドが立ち上がってから、オニツカタイガーに注目しているから。
もともとオニツカさんという方が始めた会社にアシックスというブランドができて、アシックスを中心にしていましたが、いったん消えたオニツカの名前をオニツカタイガーで復活させたという流れです。
10年前かな、山Pを使ってファッション誌などにオニツカタイガーをオシャレな感じで出していきました。
レジが24人待ちだったオニツカタイガー
ビジネス的にいろいろ注目するところは後半に話を回すとして、表参道のフラッグシップ店は、とんでもない人の購入状況なのです。
1足買おうと思ってレジに並ぼうとしたら、俺が確認したときにはレジが24人待ち。
「レジに並んでください」と言われて並ぶとレジ待ち時間が長くなるから、先に商品だけスタッフが預かります。そこでは俺からも見える位置に、レジの並び順に靴が置いてありました。
数えたら、その時点では24名で38足ぐらい置いてある。
「ある日曜日の5時過ぎぐらいに行った、おまえが見た一瞬じゃん?」と思って聞いてもらってもいい。ただ、連日これに近い状況だというのは知っているので、その瞬間の話をさせてほしいです。
ある外国人観光客の方が、親子で並んでいました。
お父さんは60歳ぐらいで、息子さんは30歳ぐらい。
お父さんが見に行って息子が並び、お父さんが1足持ってきたら、今度はお父さんが並んでいて、息子がまた店内を見て回って、また買う靴を増やしているわけ。
レジの後ろに10足ぐらいその人たちの靴が積んであって、そびえ立つ塔みたいになっています。
それで合計14足かな。
オニツカタイガーって安い靴があまりないんです。
すごく高いのもない。
あとでビジネスの説明で補足しますが、1足2万円ぐらいです。
それが大体15分から20分ぐらいで、そのレジがはけていっている。
仮に2万円だとして38足でいくらですか?
「午後はずっとこうです」という話だったし、平日もなかなかすごいと。
時流に合うビジネスは、こんなに盛り上がる
これは何の話かというと、「今はまっているビジネスは、これぐらいお金が回っている」のを、知っておいたほうがいいということです。
それと今は、リセールとかプレミアム的な位置付けのスニーカーブームが下がってきています。
この15年ぐらい、きれいめのワンピースにスニーカーを履くようになって、スーツにスニーカーでもよくなって、スニーカーの使用範囲が広がりましたよね。
なので、そもそもの消費が右肩上がりでしたが、それに合わせて希少性のあるスニーカーがプレミアム化して、転売ヤーの人が買い占めて、メルカリでもリセールがかかるものがありました。
スニーカーマーケットのアプリもあって価格は高騰気味だったわけですが、実は今、値崩れが起こっているのね。
スニーカーの用途が増えて、ファッションの考え方も変わって、街の靴屋さんにナイキとかニューバランスのスニーカーは卸しているのに、オニツカは卸しません。
オニツカのお店で売るのです。
セレクトショップに出しているのも、あまり見ません。
つまり、オニツカは量的に売れそうなピークに、あえて乗らなかった。
リセールがかかるようなプレミアム方式も、とらなかったのです。
スニーカーは工場生産品なので、「量が限られている」といってもたくさんつくれます。
ナイキとかがよくやっているのは、あるデザイナーとコラボするとか、有名スポーツ選手の限定モデルを出して数をぐっと絞るというやり方。
でも、オニツカはナイキと真逆の戦略をやっていたら、スニーカーブーム沈静化してリセールバリューがなくなっても、堅調に売れています。
この辺りの話をしたかったんですが、それぞれを30分、1時間話したいぐらいなので、ぎゅっとまとめてしまいました。
そうだ、思い出した!
原宿・表参道で、イッセイミヤケとかヨウジヤマモト、コム・デ・ギャルソンにも行ったんだけど、平日でも観光客がむちゃくちゃ来ているそう。
「日本のものだったら何でもくれ、ぐらいな方もいらっしゃる」という話を聞いたところです。
コテツでした。
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上の文章は
Voicy放送をさかのぼり文章化したものです。
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