見出し画像

男性消費と女性消費の違い|ブランディングと商売

女性がテイストを見極めて嗜好品を選べるのは、〇〇で練習を積んでいるから。「テイスト消費」を経験していない男性が女性向け消費を考えるのは、とても難しいのです。

Voicy No.354 2023年9月6日放送 
本文を音声で楽しみたい方はコチラから!
(倍速なら5分で聴けます)


消費者向け商売で大切なこと


ジェンダーを話の題材にすると、あらぬ捉え方をする方がいるので題名をつけるときに迷ったけれど、商売や消費について考える1つのヒントになるので、そういう区分けで今日はお話をいたします。

どんな性別的生き方をするかに関しては、「男は男らしく」「女は女らしく」「女性は洗い物してご飯つくれ」とは全く思っていません。それぞれの関係値とか生き方でいいと思っていますので、そこは誤解ないよう前置きしておきます。

BtoBとBtoCの仕事があったら、BtoBで法人取引先をどう増やしていくかというより、BtoCで消費者にものを買っていただくときに、自分が買っていただきたい消費者・ファン層・顧客層・ターゲットの嗜好やトレンド、今の心理をどう考えるかって、重要ですよね。

世の中的には政府が「女性活躍」とか言うと、無理やり女性を意思決定のところに置いて女性らしい意見を出させたりします。また、オールドスタイルの歴史ある企業だと「女性社員の意見を聞きました」と取って付けたようにやっています。

でも俺が言いたいのはそこじゃなくて。

消費者向けビジネスのときに、これから重要になるのは「テイスト」です。「スタイル」と言ってもいいし「センス」みたいなもので、テイストが合わないものは買っていただけなくなるからです。

品質競争からテイストの時代へ


10年、20年前まで戻れば、品質競争という時代がありました。

品質が高いほう、機能が高いほう、「たくさん売れているものを好むはずだ」というマスマーケティング、クオリティー、「機能いっぱいお得感」のような消費者向けの競争がありました。

でも今って飲食店なら、食べログを見て来てくれるお客様がいれば、辺ぴなところでも飲食店が成立します。

確実に自分の好みとかテイスト、センスが合っているファンの方と、熱いつながりを持ち続けられるかじゃないですか。最低限度、そのレベル感のビジネスは成立できるという時代です。

こんなテイスト重視の時代ですが、消費者向けビジネスをやるのに男の人だけで議論したら、味付け(テイスト)をちょっと変えることがわからない方が、めちゃ多いんだよね。

俺にはあらゆる業種業態の仕事が入ってくるので、商業施設がオープンすると、ぐるっと全部のテナントに入ってみて、品ぞろえや買っている感じ、買いに来たお客様が話している内容に耳を傾けています。

例えば、渋谷スクランブルスクエアとか宮下パークがオープンしたら、その商業施設を回りながらTシャツを売っている店に入ってみたり、アイスを売っているところに入ってみたり、香水や化粧品の店に入ってみたり、靴の店に入ったりしているのです。

男性は好みが「おおざっぱ」である


今日の話は結局何なのかというと、「女性の消費動向はテイストの違いで選ぶ」と男性もきちっと知っておくか、自分のビジネスのさじ加減に入れておかないといけないということです。

男性はざっくりしているので、なかなかテイストをぴたっと合わせてファンをつくることは難しいと思っています。

「女性を企画に入れろ」と言われれば、パッケージをピンクにして女性っぽくしたら売れるとか、ロゴをかわいくしたら売れるという議論を男性はしたがりますが、問題はそこには全くなくて。

消費の捉え方や人の行動特性や好みに関して、男性はとにかくおおざっぱなのです。

なぜこんなことが起こるか仕事でいろいろな人と接して考えたので、現時点である程度まとめられている内容の一端を話そうと思います。

何百種から選ぶ女性消費


男性と女性って、10代半ばぐらいから全く消費行動が変わってしまいます。

女性がテイスト消費やセンス、スタイルでものを選ぶ感覚って「下着と化粧品を選ぶ」という行為がめちゃくちゃ影響している一方、男の人は多数の化粧品から自分に合うものを選ぶ経験をほとんどしていません。

化粧品売り場に行くと、ファンデーションだけでも何十種類、何百種類、口紅の色も何百種類とあるじゃないですか。

10代の頃から女性は、今の自分がしたい格好を考えて選んでいます。ギャルっぽくするのか、清楚っぽくするのか、モードっぽくするのかで、ファンデーションの色から口紅の色まで変えていくのです。

自分でコンセプトを決めて、そこに合わせたテイストのものを選択して、自分をつくり上げるという消費の訓練をたくさんしています。

男でこういう買い物は「ありそうで、ない」のです。

スニーカーを買うときに、アディダスかプーマかナイキかぐらいはあっても、細かな濃淡とか、自分のスタイルやコンセプトに合うか合わないかというテイスト消費の練習を男性は積んでいないのです。

経験している数からいえば、10代、20代で100倍どころじゃないくらい、男性と女性では違うと思っています。

女の人の下着って無数にあるじゃないですか。男のパンツの選び方たるや、みんなおおざっぱですよね。今はユニクロのパンツがすごく良くなっているから、全部ユニクロや無印のパンツで済ましている人もいますしね。

女性の下着の多さって、本当にすごいですよね。

そういう消費をするものが、男性にはないのです。

しいて言えばお酒やタバコですが、種類はたくさんあっても、あまり自分のスタイルとかコンセプトに関係しないので、嗜好品を何百種類、何千種類から選ぶとか、自分のスタイルやコンセプトに合っているか消費を男性が理解するのは本当に難しい。

結局、今の時代、テイストで品質の下限が上がっていたら、あとはコンセプトとかセンスとか、売っている側の思想にぴったり合うかどうかです。売っている側が細かな違いを打ち出せなかったら、ファンが増えませんよというお話です。

コテツでした。

=================

上の文章は
Voicy放送をさかのぼり文章化したものです。
最新のVoicyは、こちらで更新中!!



【コテツのソーシャルメディア】


Instagram

久々野智 小哲津(@q.kotetsu)

X(Twitter)

公式LINE久々野智小哲津の日記的な

いいなと思ったら応援しよう!