いいものつくっているのに、売れない問題について|ブランディングと商売
「いいものなのに売れない」――その理由は? 消費者が本当の価値を見抜けない現実と、売れるための意外なアプローチを解説します。
Voicy No.0337 2023年7月14日放送
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(倍速なら5分で聴けます)
人は商品の価値を判断できない
俺も含めて世界中の人々は消費者ですからそうですが、商売をしたり自分自身を商品としたりしている人は、このひっくり返せない事実を自覚したほうがいいでしょう。
人は本当の品質や価値の高さを見分けられません。
俺も含めて人は、品質とか価値を正確に自分の判断力で算定するだけの能力を持ち得てないのです。
買うときは、自分自身の価値の算定能力や品質の確認機能に対しておごりがあります。
売る側になれば、なぜか一生懸命こだわって自分の商品やサービスや作品をつくっていて、そこに入れ込んでしまうから見えなくなります。
品質が悪いものは淘汰(とうた)されていくと思うでしょうが、実は淘汰されません。
「だから品質が悪いものを売りましょう」ということではないですよ。
品質や価値が高いものを提供する覚悟と行動でやるってことは、商売とかブランドづくりにおいてスタートラインに着いた時点で必要なものです。
「それがなくていいものじゃない」ということは言っておきます。
話の一部だけを聞いたら、「コテツは、消費者は価値がわからないと言っている。だから価値が低いものでもうまく売れば売れる」と思うかもしれませんが、それは誤解です。
品質とか価値を高めるために毎日本気で取り組むのは当たり前の話。それがわからない人は、今すぐ商売をやめたらいいと思っているぐらいです。
ただ、売れてない人は「品質」とか「ちゃんとやっていること」に逃げています。いいものをつくって売れてないのは、「親切・丁寧・安心なものを真面目につくっていれば売れる」という、逃げの思考だということです。
『芸能人格付けチェック』
テレビの長寿番組で、高いワインと安いワインを飲んでどっちがどっちかを当てる番組があります。
ダウンタウンの浜ちゃんがやっていて、GACKTとかが常に当てる番組が老舗ですよね。何度も見たことがあると思うけれど、名器ストラディバリウスと数千円のバイオリン入門器を弾き比べても、人間って本当にわからないものです。
いろいろな説明を受けて先に情報を知っているから、価値を感じているだけです。
自分も先週もワインのお店に行ったら高いワインが出てきて、おいしいなあと思いましたが、本当にわかっているのかと言われれば、いやー、みたいな感じです。
売れないとき、この3つに問題がある
何の話かというと、いいものをつくっているからこそ、売れないとか人気が出なかったら、大体この3つに問題があります。
つまらない
ありきたり
ダサい
いいものをつくっていれば価値のわかる方が買ってくれるはずなのに、売れていない。「売れてないけどいい」となったら、もうこの話は全然必要ないでしょう。
でも、中小企業とか個人事業主とか、地方のなかなか売れてない企業にすごく多いのです。「すごくいいものをつくっているんですけど」みたいなときです。
商品とかブランド自体、会社自体のやっていることが「つまらない。ありきたり。ダサい」のどれかが当てはまるし、びっくりするところは、この3つとも当てはまっていたりします。
品質がいい、いいことをやっている、丁寧にやっているからこそ、「つまらない。ありきたり。ダサい」になるのです。
「国語的に対義語になっていませんよ」というのは、やめてください。あくまでも売るという観点で伝わればいいと思ってしゃべっています。
つまらないのを面白くする。ありきたりのものを変にする。「ダサい」を「イケてる」ことにしないと興味を持ってもらえません。
それなのに、なぜか「いいものをやっている」「丁寧にやっている」「とにかく人知れず熱心にやっている」という人は、なんか嫌です。
売れないのが問題だと思っていますが、「面白いじゃん」「変なの」「めちゃイケてるのと組みました」ということをしないと興味をもってもらえない。
でも、先に興味を持ってもらえば、その先に品質とか深さへの興味があるのをすごく感じます。
価値観には自分で気づけないから
この話で1つ考えるレイヤー(抽象度)を上げると、結局、人は生まれたときから、それぞれ仕事や人生の価値観を暗黙で持っているということ。
それぞれがかなり色濃く持っているのに、子どもの頃からいつの間にか熟成されている仕事観・人生観を自覚する機会が非常に少ないから、自分が今何の価値観に縛られているかよくわからないのです。
ビジネスをするときは学生の感覚とは違います。
真面目に真剣にやっていれば、先生が評価してくれることはありません。
興味があってキャッチーで、コラボでもして最初接しやすくするから、最初に興味を持ったお客様が群がってくれます。その中から本当の深さを知った人は、長く付き合ってくれるのです。
「いいものをつくっているのに売れない問題」は、人は価値の高さとか品質を見分けられないという前提で、徐々に深さを伝えていくやり方をすればいい、というお話でした。
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上の文章は
Voicy放送をさかのぼり文章化したものです。
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