見出し画像

こまめなやり取りがビジネスを前に進ませる。

Voicy No.0254 2022年12月21日放送。
本文を音声で楽しみたい方はこちらからどうぞ!

トライする数を増やせば成功に近づくのに、特に大企業では議論が続いて前に進まないことがあります。日本的な組織は、それぞれの意見を地道に聞いていくことが、企画を前に進ませる力になるのです。


とにかく決めない日本企業。


「トライする数が少なすぎる」という放送に
質問をコメントで頂きました。
mamiさんからです。

いつもためになるお話をありがとうございます。私は今海外事業の中で起こる日本サイドとの温度差をどうやって埋めていくかが課題です。現地で働いている方はスタートダッシュも速く、だめならすぐ軌道修正、人員も変える(仕事ができなければ即解雇)。コテツさんが仰るとおりトライアンドエラー&ハイスピードでタスクをこなすのに対し、日本サイドは決断が遅く毎度失敗したらどうする?社員は無関心、リスク話ばかりになります。日本企業が海外事業進出する際大切なマインドなどもテーマにしていただけますと幸いです(海外合弁会社です)

もう「わかる×50」ぐらい、言いたいですね。
mamiさんは海外の会社でしょうか。

「トライする数が少なすぎるから、
じゃんじゃん失敗したらいい」というのに対して、
「失敗しようと思っても
相手方がめちゃくちゃ遅い」のだと思います。

オーナー企業のベンチャー企業としゃべっていて
「いいですね。やりましょう」と言ったら
翌週ぐらいから準備が始まって
翌々週にはやってしまうような
ライトなイベントでも、
大企業だと3カ月間ぐらい議論していたりします。

ひどいところだと、1年ずっと検討を繰り返します。

検討を繰り返している間に時代が変わって
1年前とか半年前の「たたき台」で
さまざまな観点から検討したり
部署調整しているうちに
マーケットの旬が過ぎてしまうのです。

企画はズレていなくても
企画で強調するポイントが変わってきて
検討して根回ししたものと変わり
そこから再挑戦が始まることが
めちゃくちゃある。

それを指摘し改善すべきポイントが
理論上あるのに
日本の組織は誰が決めたかわかなくする
システムを採っていて。

「みんな言ったよね」というか
「みんな、なんとなく賛成していたよね」
というムードで
消極的な合意形成の下
「オレだけじゃなくて、
みんなも言ったからやった」と
失敗しても誰が決めたかわからないように
うやむやにします。

つるし上げることもないけれど
誰かに手柄が集中することもない。

よく考えたら、すごく高度なシステムですよね。


青色発光ダイオードの事例。


発光体では青色を出すのが難しかったのですが
10年以上前に青色発光ダイオード(青色LED)を
発明した会社がありました。

その中で研究を徹底的にやった研究者が
「特許は会社で取ったけれど、
発明に対する対価がおかしいのではないか」
というので
日本では珍しく長期間にわたって
裁判になったというケースです。

天才的な研究者が
ある企業の中で雇用された状態でおこなった
研究の結果、
世界的にとても珍しいものができた。

企業に勤務している人なので企業が特許も取り
企業がそれを売り出して実収益も得た。

その大きな成果に対して
日本では数万~数十万という寸志ぐらいしか
払わない傾向があります。

得た利益が5億でも10億でも
「社内で研究していたから」という理由です。

国によって報酬は違います。
個人の成果は個人の成果として
膨大なリターンを払う国や会社もあります。

日本は誰が決めたかわからなくて
成功しても失敗しても
「みんなでやったんだ」と言いたいのでしょう。

これには、いい面もたくさんあります。

ただ、大きな企業と商談して
プロジェクトを進めていくのは
mamiさんコメントしてくれたとおり
ものすごく遅いし
ものすごくストレスだし
ものすごく無駄を感じます。

正論なら
「それじゃダメだ。
決めるべき人をはっきりさせて
その人が意思決定して
ダメだったらその人が退く。
よかったら、その人が成果に対して対価を得る」
となるでしょう。

プロスポーツの監督であれば、
例えばサッカーワールドカップで
ベスト8に入ったら称賛され、
いかなかったら交代。

その責任は監督にある。
選手の招集選定の責任も持っているからとなる。

でも、日本の会社はそうなっていません。
どうしたらいいのでしょうか。

組織を動かす、こまめなコミュニケーション。


オレは「失敗しても損失はこの程度で
今会社の利益はこの程度なら
挽回できるならやっちゃえ」
みたいなベンチャー気質の経営者です。

大企業はなぜ行動が遅いのかと言っても変わりません
mamiさんも
かなり感じていらっしゃると思いますが。

オレは、プロジェクトを前に進めていくに当たって
すごくこまめなコミュニケーションを使っています。

これもビジネスや経営をしている人の
「あるある」ですが
どこかに秘密の方法や特別なメソッドがあって
インスタとかティクトクで
爆発的にお客さんを集める誰も知らない秘密が
どこかに存在すると思っている人が多いものです。

ビジネスの世界でも同じように
相手を説得するロジックや
相手が納得するプレゼン資料のつくり方や
スピーチがあると思っている人も多い。

コテツプロデューサーも
もちろん皆さんが聴いてくれているとおり
わーっとしゃべって
「なるほど」と言われる能力も磨いています。

でも、オレはこまめに
それぞれの人の意見を聞くことを欠かしません。

それでしか大きな日本的組織を動かしていく方法は
ないと思っているからです。

大企業と打ち合わせしていると
担当者が8人~10人と出てくるときがあります。

それぞれの思惑と意見があっても
いちばん上位者がしゃべるだけで
ほとんどの人が意見を言いません。

10人出てきて部長1人しか話さなかったとしても
9人には考えがある。

それをコミュニケーションの中で
個別に、ちょこちょこ聞いていきます。
それで動かすしかないのです、というお話でした。

以上、久々野智小哲津でした。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
本文を音声で楽しみたい方はこちらからどうぞ!

久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
Instagram https://instagram.com/q.kotetsu/?hl=ja
X(Twitter) https://twitter.com/kotetuq
公式LINE https://onl.la/khJ6hfU

いいなと思ったら応援しよう!