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近くにモデルとなる人がいるか? いないか?│ブランディングと商売
テクニックを知るだけでは、ビジネスはうまくいきません。目指すステージにいる方の近くで学べる価値は、想像以上に大きいのです。
VoicyNo.342 2023年8月2日放送
本文をVoicyで聴きたい方はこちらからどうぞ
能力だけではない「目に見えない力」
企業の売上アップとか強いブランドをつくるためのブランディングのように、会社を立ち上げる方と接していくときは言葉によるやり取りがメインであり、「どうしたらいいか」にお答えするのが俺の仕事なわけです。
いろいろ行動しながら壁をぶち破って、うまく新しいステージとか状況に上がっていける方もいれば、そうじゃない方もいます。
俺たちは子どもの頃に染み付いた価値観がベースにあって、それに縛られています。能力とか努力とか真面目さではない要素が、確実にあると思っています。
近くにモデルとなる人がいるか
俺はいろいろな会社の方々と一緒にプロジェクトをするときには複数の会社組織と立場があり、思惑も能力も理解も、細かく見ていけばおそらく違うだろう皆さんに、お考えを述べていただいて力を合わせてやっているわけです。
ある種の交渉というか、営業のような打ち合わせの場での立ち居振る舞いは、言葉で方法論を書いても、絶対伝わらないのではないかと思います。
もともと俺は営業マンで、営業がすごく得意でした。
営業というのは成約を頂いて、受注という目的に向かって1対1で話をする関係です。こちらの考えているゴールに向かって進んでいくのが得意だったのです。
俺は営業マンとして社会に出たので、営業のゴールを設定して、トークを覚えて、相手からの反論疑問が出てきたらアウトを返して、テストクロージングをかけ、話法もいろいろあったのでゴールまでいくので、営業はテクニック論なんだなと最初は思っていました。
方法論だけでは伝わらないこと
ところが会社を始めると、ゴールが1個なのか2個なのかよくわからなくて、話をする相手が、複数の立場とか複数の組織から出てきたりすることがありました。
すると、トークを覚えて、相手からこんな言葉が出てきたら、こういうデータとロジックで返せばいいという流れにならなかったりするのです。
その中で雰囲気を見て、黙っているとか笑うとか、空を見上げるみたいなことも含めて、最後は皆さまにやる気とメリットを感じて契約が決まっていきます。
でも、これを説明している時点で、「コテツの言うやり方って何のこと?」と疑問に思うでしょう。
ブランディングをうまくいかせるとか、いいブランドをつくるとか、新商品を売っていくとか、交渉するとかマネジメントをするとか、もっと言うと、お金がどんどん入ってくるような戦略を立ててビジネスをやっていくとき「こうであったらなあ」ということ全般に関して、すごく決定的なことがあります。
でも、そういう状況を間近で見てない人にとっては、やっぱり何のことか、わからないのではないでしょうか。
お師匠さんの「あり方」を学ぶ
ずっと昔、全ては徒弟制度でした。全部弟子入りでした。
商売には、「でっち奉公」という言い方がありました。労働法もなくアバウトだった時代は、住み込んでぞうきん掛けから始めたものです。
もちろん、そういう無駄な努力をしたほうがいいと言っているのではありません。
落語とか職人の世界、大工さんもそうですが、付き人制度というかお弟子さんとして入った場合は、四六時中、師匠のやっていることを感じることになります。
どういった情報収集をしているかという時間の使い方から、どう周りの人と接して仕事を取っているかまで目の当たりにするわけです。
身近にそういう人がいないとピンとこない
すると、わかってくることで結構大きいと思うのは、大きな仕事は、ほとんどインサイダー(知り合い)で決まるということでした。
能力で決まるかというと、能力も人柄も、ある程度認められた者同士の集まりの中で、大きな仕事が動いていたりします。
では、その集まりがどこで何が行われているのかというのは、口で説明すればするほど伝わらなくて、そういう食事の場にいることがいちばんだったりします。
自分が新しい扉を広げて、もう少し上のステージとか、別な領域で何かを成し遂げていきたい場合は、モデルとなる人の近くに居続けないとダメではないでしょうか。
かくいう俺も、これはめちゃ重要だと思っていました。
20代で会社を始めたときも、先輩経営者とかお世話になっていたアドバイザーに連れていかれて、横に座らせてもらって話を聞いていると、なんとも言えない話の展開と「さじ加減」で結構大きなことが決まっていき、やっとわかってくることがありました。
方法論がどうとか、能力やプランを磨いてブランディング戦略を立てたところで、自分が成し遂げたいと思った位置に既にいる人の間近で、何をどんなふうにやっているかを見なければダメなのです。
言葉やマニュアルだけで伝えきれることは、なかなかありません。その領域で結果を出している人のそばにいてください。
コテツでした。
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上の文章は
Voicy放送をさかのぼり文章化したものです。
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