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【前編】まだ間に合う!『薬屋のひとりごと』アニメ第1期の総復習
アニメ第2期放送開始が目前に迫っている『薬屋のひとりごと』。
「見ていたけど結構忘れてる」
「未履修だけど2期から見てみたい」
そんなあなたのために、第1期のあらすじを簡単にまとめてみました。
※当然、ネタバレありです。
世界観
あらあすじ紹介の前に、まずは簡単に世界観の説明をしておきましょう。
猫猫たちが生きているのは、中国の中世っぽい世界です。
あくまで「ぽい」なので、国もキャラクターも全て架空です。
国の名前は「茘」で、そこを統治している皇帝の姓は「華」。
現在の皇帝は有能で善良と言って良い人物で、国内は安定していてなかなか繁栄している様子。
そんな皇帝の子を成す為の施設である後宮。
巨大な女の園が、第1期を通じての主な舞台となります。
主な登場人物
宦官
壬氏
美しい宦官。
若くして後宮の管理を任されている。
男女問わず発情させるえらい人。
高順
壬氏の付き人。苦労人。
やぶ医者
後宮の医官。いい人、でもやぶ。
四夫人
後宮には大勢の妃がいますが、そのトップに立っているのが四人の上級妃、通称四夫人です。
事件は大抵彼女たちの周囲で起こります。
玉葉妃
猫猫が使えることになる妃。赤毛と翡翠色の瞳の美人。
優しく賢い。女児(鈴麗)の生母。
梨花妃
東宮の生母。グラマラス美人。
里樹妃
最年少の14歳。不幸体質。
阿多妃
最古参の35歳。帝の乳姉弟。
女子校のバレンタインで無双するタイプ。
その他
羅門
猫猫の養父で師匠。
三姫(白鈴、梅梅、女華)
超高級妓女三人組。
呼ぶだけで庶民の年収が飛ぶらしい。
猫猫を可愛がっている。
やり手婆
緑青館を取り仕切っている。ケチ。強い。
猫猫を妓女にさせたがっている。
李白
若手の武官。
それでは、アニメ第1期の第1~12話のあらすじを見ていきましょう。
第1話 猫猫
花街で養父と薬屋を営む少女猫猫は、悪人に攫われて下女として後宮に売られてしまう。
後宮では梨花妃の産んだ東宮と玉葉妃の産んだ女児が、共に原因不明の病にかかっていた。
呪いだと噂する者もいたが、猫猫は病の原因に心当たりがあった。
原因はおしろい。おしろいの中には有毒物質が含まれるものがあり、花街の薬屋で育った猫猫にとっては、見慣れた症状だったのだ。
「おしろいはどく 赤子にふれさすな」
猫猫は密かに投げ文で警告したが、その甲斐なく東宮は亡くなってしまった。
投げ文のせいで読み書きができること、薬の知識があることがバレてしまい、猫猫は美貌の宦官壬氏に目をつけられる。
そして、なんと洗濯係から、生き残った女児の生母である玉葉妃の侍女に取り立てられることになってしまった。
まずは世界観とキャラクターのチュートリアル的な回。
ラストのナレーション「猫猫が抑えられないもの、それは好奇心と知識欲。そして、ほんの少しの正義感。」を象徴する話でした。
個人的に残念だったのは、投げ文と壬氏が猫猫を嵌めたときの文章が、がっつり日本語だったこと。
そこは、なんちゃってでも良いから全部漢字で書いてほしかった…
第2話 無愛想な薬師
超絶美形の宦官壬氏は、色目を使っても塩対応の猫猫に新たな性癖の扉を開きかけていた。
一方の猫猫は、玉葉妃の居所翡翠宮に異動して毒味役をすることに。
命懸けの危険な仕事に同情して腫れ物扱いしてくる先輩侍女たち。
当の本人は、自分を使っての人体実験の結果毒が効きにくい体質になっているうえ、毒や薬に興奮する変態なのでむしろ喜んでいたのだが。
そんなある日、壬氏が持ち込んだ食中毒事件を秒で解決し、更に媚薬を作るよう頼まれた猫猫はノリノリで久しぶりの調合に臨むのだった。
猫猫の新しい職場、翡翠宮の紹介&キャラクターの掘り下げ回。
翡翠宮の次女たち、侍女頭の紅娘と三人娘(桜花、貴園、愛藍)たちも本格的に登場。
猫猫に冷たい眼で見られて喜ぶ壬氏。
薬が絡むと興奮して謎ダンスを踊る猫猫。
メイン二人の変態っぷりがよくわかります。
そして、なかなかホワイト(一歩間違うと死ぬ)な労働条件の翡翠宮。
上級妃の侍女だけあって、先輩たちも親切で有能です。
媚薬をつまみ食いするのはどうかと思いますが…
媚薬の正体はチョコレートなのですが、つまみ食いした後の三人娘の乱れっぷりをみると、チョコレート怖っ!となります。
某北海道漫画のラッコ鍋並みに効いてたからね。
第3話 幽霊騒動
後宮に幽霊騒動が巻き起こる。
城壁の上で夜な夜な女が踊っているというのだ。
壬氏は騒動の原因が夢遊病ではないかと疑い、猫猫に調査を持ちかける。
「薬屋の仕事ではない」と一度は断った猫猫だったが、壬氏の粘着質な頼み方に根負けし、渋々調査に乗り出す。
幽霊の正体は下級妃の一人、芙蓉妃だった。
彼女はある武官に下賜されることになっており、それが原因で夢遊病になったのではないかと、猫猫は報告するが、そんな猫猫の様子に玉葉妃は違和感を覚えていた。
玉葉妃に促され、猫猫はある「推測」を語り始める。
芙蓉妃と武官は同郷の幼馴染で、確実に後宮を出て結ばれるために一芝居打ったのではないか、と。
サブキャラとモブキャラの唐突な純愛劇に驚きが隠せない!
綺麗にまとまってハッピーエンドで締められた貴重な回。
終盤の玉葉妃の言葉も味わい深いです。
第4話 恫喝
東宮を失った梨花妃の体調は悪化し続けていた。
猫猫は帝に梨花妃の治療を命じられ水晶宮を訪れるが、侍女たちの妨害で梨花妃に近づくことすらできない。
そんななか、梨花妃の寝室で、禁止されたはずの有毒なおしろいが見つかる。
キレた猫猫は侍女を恫喝する。
その勢いに怯えた侍女たちは、壬氏の取りなしもあり一転して協力的に。
適切な食事と治療により、梨花妃は徐々に回復していった。
猫猫役の悠木碧さんのドスの効いた声が印象的。
猫猫の意外な一面が垣間見れる回。
第1話での玉葉妃とのトラブルで、なんとなく悪印象だった梨花妃の印象がひっくり返る回でもあります。
第5話 暗躍
「呪いを解く薬をください」
怯えた様子の宦官が医局に駆け込んできた。
様々な色に変わる炎を見てから手の平が酷くかぶれてしまい、呪いのせいだと怯えているようだ。
居合わせた猫猫が炎の謎を秒で解決。
都合よく現れた壬氏に執務室に連れ去られる。
壬氏も炎について調べていたのだった。
色変わりの炎を使い何かを企んでいる容疑者は、腕に火傷を負っていると考えられるため、壬氏は高順に火傷を負っている者を探すよう命じる。
猫猫が翡翠宮に戻ると、園遊会の準備でおおわらわだった。
今回は四人の上級妃(玉葉妃、梨花妃、里樹妃、阿多妃)が全員参加するということで、翡翠宮の面々も張り切っており、普段化粧っ気のない猫猫も化粧を強いられることに。
そして、そのせいで、猫猫が普段はあえてそばかすの化粧をしていたことがバレてしまうのだった。
園遊会当日、猫猫は玉葉妃から首飾りを、壬氏から銀のかんざしをもらう。
何らかの陰謀が進行しているフラグがビンビンのなか、真冬に高官を集めて飲み食いする誰得イベント園遊会がついに始まります。
どうやら、かんざしに重要な意味があるらしいのですが…
そして、猫猫がそばかすの化粧をしていることがバレてしまいます。
化粧を落とした猫猫に気づかない壬氏。
身近な人間が気づかないレベルの化粧は、もう特殊メイクの域だと思うのだが…
あれか?メガネを外したら美少女の亜種か?!
第6話 園遊会
寒空の下始まった園遊会は、水面下で高級妃の侍女同士のいざこざがあったものの、順調に進行していた。
猫猫は梨花妃と武官の李白からかんざしをもらう。
そして、食事の時間。毒味役の出番である。
怯える他の毒味役を他所目に、猫猫は相変わらず余裕の表情。
ふと上級妃の方を見ると、なぜか怯えながら料理を口に運ぶ里樹妃の姿があった。
食材は魚だが、玉葉妃用の同じ料理の食材はクラゲだった。
「いつもは魚なのに?膳が取り違えられたのだろうか?」
疑問に思う猫猫の前に次の料理が運ばれてくる。
「これ、毒です」
スープを口に含んだ瞬間、猫猫は厳かに宣言した。
毒を吐く処置を済ませた後、猫猫は壬氏に頼んで里樹妃とその毒味役を呼び出した。
二人の様子から、里樹妃にアレルギーがあること、嫌がらせで毒味役が膳を入れ替えたことを察していたのだ。
猫猫は毒味役の侍女に釘を刺す。
「食べられないものを故意に与えるのは、毒を盛るのと同じだ」と。
宣伝で流れまくっていた「これ、毒です」のシーンはこの回です。
猫猫がドン引きするほど皇太后が若かったり、14歳の里樹妃が再婚(先帝と今の帝)だったり、いじめだったり、怯える毒味役を娯楽感覚で見物したりと、上流階級のえげつなさてんこ盛りな回でもあります。
そして、命を狙われていたのは、玉葉妃ではなく里樹妃だと明らかになりました。
第7話 里帰り
園遊会の翌日、高順は毒入りスープの器を持って翡翠宮を訪れた。
猫猫は綿と粉と筆で即席キットを作り指紋を検出する。
出てきた指紋は四人分。
スープを注いだ人物、配膳した人物、里樹妃の毒味役、そして謎の第三者。猫猫は謎の第三者が犯人だと指摘する。
その後、園遊会でもらったかんざしを使えば、一時的に後宮の外に出られる事を知った猫猫は、里帰りをしようと思いたつ。
手元にあるのは、玉葉妃、壬氏、梨花妃、李白からの四本。
そのうちの李白に狙いを定め、緑青館の三姫への紹介状を餌に身元を保証させ、猫猫は久しぶりの里帰りを果たしたのだった。
一人科捜研猫猫…
中世ぽい世界観は何処へ?
猫猫の実家の薬屋がある緑青館は都の老舗妓楼で、三姫(白鈴、梅梅、女華)は超人気の高級妓女。彼女たちは単なる水商売女性ではなく、我々の世界でいうところのアイドル兼セレブタレントのような存在のようです。出世株とはいえ、一武官でしかない李白が舞い上がるのも無理がない話です。
そしてこの緑青館、実は後宮から歩いて行ける距離にあるのです。
第8話 麦桿
里帰りの翌朝、猫猫は急患が出たとある妓楼に呼び出される。
駆けつけた先では、男女二人が毒を飲んで倒れていた。
猫猫は羅門と処置を施し、男女は一命を取り留める。
事件は心中未遂として処理されるが、二人の人物像や部屋の状況などに猫猫は違和感を覚える。
真相は殺人未遂だったのではないかと疑う猫猫に羅門は釘を刺す。
「憶測でものを言ちゃいけないよ」
名探偵猫猫の推理が光る!
まあ、心中現場に、二層に色が分かれた酒と麦桿(ストロー)なんて露骨に怪しいのですが…
第9話 自殺か他殺か
壬氏の元に知人の官僚の訃報が届く。
宴で酒を飲み過ぎて倒れたのだという。
納得できない壬氏は猫猫に相談する。
調べてみると、甘党のはずの官僚が宴会で飲んでいた酒には大量の塩が入れられていた。
猫猫は何者かが酒に塩を入れ、それが死因となった可能性を指摘する。
後宮を囲る堀で下女の水死体が見つかり、やぶ医者と偶然居合わせた猫猫が検死を行った。
遺書があったため自殺として処理されたが、女は纏足で、どのように高い城壁に登ったのか謎が残った。
色が変わる炎の件にも進展があった。
腕に火傷を負った人物が見つかったのだ。
柘榴宮の風明。阿多妃の侍女頭である。
科捜研、名探偵に続いて検視官猫猫!
死人が増えてきて、本格的にきな臭くなってまいりました。
第10話 蜂蜜
翡翠宮で里樹妃を招いてのお茶会が行われた。
蜂蜜を使った飲み物に顔色を変える里樹妃。
猫猫は里樹妃が蜂蜜も苦手なのだと知る。
水死した女は柘榴宮の下女で、園遊会で毒を盛った犯人だという噂が流れる。
最年長の阿多妃を四夫人から外して新しい妃を入内させるという話が出ており、主人のために他の夫人を排除しようとしたのではないかというのだ。
壬氏は一介の下女がそこまでするだろうかと疑問に思い、猫猫を大掃除の手伝いという名目で柘榴宮に派遣する。
柘榴宮で猫猫は、侍女頭の風明が腕に包帯を巻いていること、彼女の実家が養蜂場を営んでおり、そのツテで柘榴宮に大量の蜂蜜が納められていることを知る。
また、里樹妃が密かに柘榴宮を訪れているのを目撃する。
猫猫は蜂蜜を食べられない理由を聞くために里樹妃の元を訪れた。
里樹妃は赤子の時に蜂蜜を口にして死にかけて以来、食べるのを禁止されていたのだと語った。
そして、風明の名を聞くと顔をこわばらせた。
過去に何かあると睨んだ猫猫は、高順に頼んで後宮の過去の記録を取り寄せる。
記録に目を通していた猫猫は、そこにある人物の名前を見つける。
「何やってるんだよ、おやじ…」
全ての疑惑が柘榴宮に収束していく。
風明さん、名前が出てきてまだ2話しか経ってないのにラスボス候補に浮上か。
彼女と里樹妃に何があったのか?
そして過去の事件に羅門はどう関わっているのか?
深刻な展開が続くなかでの癒し枠(?)は、壬氏の変態行動でしょうか。
第11話 二つを一つに
過去の事件と羅門との因縁を知った猫猫は、単身で柘榴宮に乗り込み風明と対決する。
事の発端は17年前、当時の皇后と東宮妃だった阿多妃の出産時期が重なったこと。
皇后の出産に人手を取られて、難産だった阿多妃は放置されてしまう。
子供は無事産まれたが、阿多妃には深刻な後遺症が残った。
やがて、その子も幼くして亡くなってしまう。
当時医官だった羅門は、その責任を問われ後宮を追放された。
赤子の世話をしていたのは風明で蜂蜜を与えていた。
彼女は知らなかった、蜂蜜が赤子にとっては毒になることを。
そして、その事を風明に教えたのが里樹妃だった。
いずれ里樹妃が蜂蜜のことを喋ってしまうかもしれない。
自分が赤子を死なせてしまったことを、敬愛する主人に絶対に知られたくない風明は、二人が会うのを邪魔するようになった。
そして、ついには里樹妃の暗殺を企てるようになる。
秘密を知られぬために、そして阿多妃の上級妃としての立場を守るために。
秘密を暴かれ、泣き崩れる風明に猫猫は提案をした。
二つの動機を一つにしてしまえば、もう一つの動機が阿多妃に知られることはないと。
風明は里樹妃毒殺未遂の件で自首した。
告白した動機は阿多妃を上級妃に残すため。
そして、もう一つの動機は言わぬまま処刑された。
阿多妃が後宮を去る日、儀式のため並んだ壬氏と阿多妃を見て、猫猫は二人の面差しがよく似ていることに気づく。
そして、阿多妃の息子が生きていて皇弟と取り替えられたのであれば、いろいろなことに辻褄が合うことにも。
解決編らしく、深刻で情報量が多い回でした。
何やら壬氏の正体についてとんでもない匂わせがされていますが、全ては猫猫の妄想です…今のところは。
そして、本人の知らないところで大活躍の里樹妃。
二度も嫁に出されるわ、侍女にいじめられるわ、勝手に恨まれて毒殺されかけるわと流石に不憫です。
第12話 宦官と妓女
風明の件は、本人の処刑だけでは済まなかった。
親族以外にも影響は及び、後宮に勤めている関係者も解雇される事が決まった。
関係者のリストの中には猫猫の名前もあった。
猫猫を攫った犯人が登録した書類上の実家が、風明の実家と関係があったためである。
猫猫は解雇を回避するため、直談判しようと壬氏を探し後宮内を奔走する。
ようやく壬氏に出会えた猫猫は、解雇しないよう懇願した…つもりだったのだが、口下手が災いして、壬氏は猫猫の真意を誤解して解雇を決めてしまう。
花街に戻った猫猫は、緑青館でアルバイトを始める。
ある日、高官が自宅で宴会をするということで、三姫が全員が呼び出され、猫猫もお供の一人として同行することになった。
そこには、宴席だというのに、やけにどんよりした若者の姿があった。
猫猫が酌をするために近づくと、なんとその若者は壬氏だった。
ここにきてようやく誤解が解け、猫猫は壬氏に身請けされることになった。
記念すべき第1期1クール最終回。
口下手と考えすぎが化学反応起こしとるw
すでに忘れ去っていた人攫いの件がここにきて活きてくるとは!
まとめ
駆け足であらすじをまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?
アニメの1~12話は、ちょうど原作小説の1巻分に当たります。
時間的にこれからアニメで全話視聴するのが難しいという方も、通勤通学の合間にライトノベルを1冊読むことはできるのではないでしょうか?
ライトノベルとはいえ、大人が読んでも面白い内容なので、これを機にぜひ手に取ってみてほしいです。
ちなみに小説は、Kindle Unlimitedに入っていると、今なら第4巻まで無料で読めます。
興味のある方は、こちらからどうぞ。
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