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調べ学習と探究学習の違いとは? -高校生のQareerへの回答から -

こんにちは。探究学習と進路選択を繋ぐサービス Qareer を運営している平田と申します。私は、普段慶應義塾大学環境情報学部に在籍し、興味の赴くままに学んでいます。
また、自分自身が高校での探究学習から将来学びたいことが明確になったため、探究学習が将来像を描く機会になる高校生が1人でも増えればよいなと願い、Qareerというサービスを開発しました。


さて、Qareerでは高校生に"探究学習振り返り"と"進路展望"を800字で記載してもらっています。本日はその回答を見て感じたことを書きます。

調べ学習で終わるか、探究学習に進むか?

Qareerは学校単位でご利用いただいているため、特定の時期に数百名単位の回答を見ることになります。その際、強く感じることがあります。それは、学習が「調べ学習で終わっている」か「探究学習になっている」かです。

Qareerでは、探究学習の内容及び今後の展望を記載してもらっています。その内容は生徒によってはっきり分かれ、「○○を知った」「○○が分かった」という記載でまとめる生徒が一定数います。つまり知識が増えたり、不明なことが理解できたことで、学びを完了してしまっているのです。一方、探究学習になっている生徒は「新たな疑問が湧いた」「●●ということに気づいた」「〇〇が分かった。だから実際に▲▲をやってみた」など、学びが完了せず、見方あるいは行動が変化していることを自ら記載してくるのです。これは3年間、年間1単位の学びだとしても、大変大きな違いだと思うのです。

調べ学習で終わってしまう生徒を、どう探究に誘うか?

Qareerの活動の中で、学校の先生とやり取りさせて頂く機会を多くいただいています。その中で、「探究学習で難しいのは、生徒が興味関心を持って進められるテーマ設定」という声を聞くことが多いです。ただ、生徒の回答を見る限り、一概にそれが最大の課題とは思えません

例えば、Qareerへの回答の中には「はじめは興味関心が無いテーマだったが、学習を進めているうちに興味関心が湧いた。●●に対して疑問を持ち、〜の活動に取り組んだ」という生徒の回答もありました。また別の回答では、強い興味関心を持っている個性的なテーマ設定をしていても、そのテーマについて延々調べ、知識を増やしているだけの学習も見られました。

では、調べ学習から探究学習へどう誘うべきでしょうか?前提として、素晴らしい探究学習の多くは、丁寧な調べ学習からスタートしていることは間違いありません。適当にネット検索するのではなく、文献や論文にあたるなど。あるいはインタビューや実験も類するものと言えるかもしれません。その学習活動=調べ学習は否定されるべきものではないと思うのです。

大切なことはなんでしょうか?それは、その過程で”本人が”何を感じたのか?と考えます。調べている過程で「なんで?」という疑問はなかったのか。「おや?」という違和感はなかったか。そのような自身の気づきに自覚的になることが、探究学習への第1歩ではないでしょうか。こう考えると、先生方や、例えばQareer添削者のような学習のサポーターは、調べた過程の振り返りを支援したり、調べた内容について疑問点など無いか対話することが、探究学習へ誘う重要なサポートになると思っています。

余談)探究の「テーマ設定」と「問いの決定」って別物?

そう考えると、探究学習の「テーマ設定」と「問いの決定」というのは、時系列で分けて考えるべきなのかもしれません。テーマを決めたら、興味関心のままに調べながら、そこで生じた疑問や違和感をもとに問いを固めていく。こんなふうに整理できるかもしれませんね。是非またいろいろな方とディスカッションしてみたいです。


このような感じで、添削の過程での気づきも発信していきたいと思っています。次回は、「良い問いとは何か?」をテーマに記載してみたいと考えています。

是非フォローいただけると嬉しいです。お読みいただきありがとうございました!


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