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いわきでPython講座。自動運転とメタバース。相馬の旅。
早朝の東京駅は、爆音で鳴る響くチャイムや人の混雑で、早起きの脳には刺激的だった。
東京は人の住むような街ではないと改めて思った。
加賀谷さんと合流して、スーパー日立で「いわき」へ。
車中で、メタバースビジネスの話をはじめたところ、自動運転ビジネスの話とチャンポンになっていた。
加賀谷さんは「自動運転は、人類が定住した時と同じくらいのインパクトがある」と言った。
いわきでは、きくちくんと合流。10年ぶりの再会だった。
きくちくんは前職の社員で、結婚式にも出席させていただいたご縁である。
趣味で作った「なぞQ」は月間150万PVで、なかなかの小遣いになっているそうだ。
今回の「いわき巡業」のきっかけは、きくちくんからの連絡だった。
「久々にSwiftを学習したいので、前職で作ったアプリを作り直して公開していいですか」というメッセだった。
とても律儀な人である。
きくちくんは現在、底引き網の漁師をしている。
いつでも相馬に遊びに来てくださいということだったので、
南相馬出身の加賀谷さんに連絡したら、「じゃあ行こう」となったのであった。
Python講座には、二人も参加してくれた。
大学時代にプログラミングを履修した加賀谷さんは、「このやり方で学習したかった」と。
きくちくんは「レインボーアップスの時よりも確実にスキルアップにつながる」と評してくれた。
無事講座を終えたあとは、旅モード。まずは、白水阿弥陀堂を訪れた。
周りの山々を蓮の花にたとえ極楽浄土をあらわしているそうだ。
「なるほど、山を花びらと想像してみて、今俺は花の中にいる。極楽じゃないか。」
まさにメタバースだった。古代の人たちは言葉や絵をたよりに想像力を使い、心のVRグラスで物事を捉える。
![](https://assets.st-note.com/img/1652313796317-fnvQ6XqNRB.jpg?width=1200)
例えば、タコの春画は、まさにタコバース。
「自分はタコになって女を犯したい」という欲望に、江戸の若隠居がウツツを抜かしていたのだろう。
我々の先輩たちも十分にヘンタイである。
その後、相馬に向かう。
途中で、福島第一原発あたりになり、規制区域へ。
車しか通れないゴーストタウンを走る。
運転手はもはや、道の奴隷である。ただ通るだけ。
よく考えてみると、規制区域ではなくても、
車しか通らない道は公道でもたくさんある。
その間のドライバーは退屈である。
IT導入のメリットは、クリエイティブではない作業を自動化することである。
人のいない道の自動運転補助は早急に実現して欲しいところだ。
フォードが車を出してから近代道路が生まれたわけだから、
自動運転のための道ができてもおかしくない。
途中で、加賀谷さんのご実家を訪問した。
お母さんは「この前の地震は大変だった」という。
部屋中に本が散乱したそうだ。
事実、お父さんの遺影が飛んでいたままだった。
でも、その時はそこまで地震のインパクトの実感がなかった。
直下型地震の惨さを感じたのは相馬港付近に来た時だった。
完全に倒壊した民家があった。
今回の地震は震度としては3.11以上のものであり、大半の民宿が休業に追いやられた。
今回お世話になった「すずや旅館」も、ヒビ割れなどダメージが大きいものの、
奇跡的に泊まることができたのである。
夜はきくちくんから、昨日に獲れた海鮮のお裾分けをいただいた。
翌朝は船にも乗せてもらった。
今は試験操業期間で補助を貰いながら操業している。
要するに風評被害は今もなお続いているということである。
3.11、放射能、そして今回の震災。
ふんだり蹴ったりの街のように見えるが、とてもいい街だった。
我々はついつい偏見をもってジャッジしてしまいがちであるが、実は東京以外は「住めば都」なのである。
自動運転の時代になれば、それがわかるだろう。
人口が減った街、増えた街、しかと見届けていきたい。
相馬では、相馬中村城と訪れた後、みちの駅で地魚丼をいただいた。
この店は、きくちくんのいとこが創業メンバーだそうで、とても混んでいた。
新しくできた「みちの駅」への出店はビジネスチャンスであると知った。
その後の行程は風まかせにしていた。
相馬からレンタカーで福島にでようと思ったがレンタカーがないので、仙台に行くことにした。
翌日は朝からレンタカーで、多賀城、山寺、米沢、伊達、そして郡山を回った。
途中、加賀谷さんが「トンネルを通る時、ガラケーを感じる」と言い出した。
トンネル走行こそ、もっともクリエイティブではないということなのだろう。
あと、多賀城がいちばんメタバースだったそうだ。
奈良時代の空間がやってきたということだった。
松尾芭蕉も、昔と変わらない風景に涙したそうだ。
それでいうと、俺のメタバースは、伊達発祥の地の城跡である。
こんな辺鄙な田舎の所領を頼朝から拝領してから伊達家の歴史が始まったのだから。
メタバースの醍醐味は、脳みそがバグる感覚だと思っている。
異性の脳をバグらせるのが恋愛であれば、顧客の脳をバグらせるのが営業の仕事である。
山寺の山頂で、オロナミンCを飲もうかと思ったが、
店の人は俺の脳をバグらせてくれなかった。
蝉のいない季節だったので、蝉が鳴いているYouTubeを再生してポケットに中にしまって下山した。
すれ違う人の中には「あら、もう蝉が」なんて言う人もいた。
俺は、バグらせることができたわけである。
旅は脳をバグらせてくれる。
毎日、街を転々としていると、
「あれ、俺は今どこにいるのだろう」と思うことがある。
こんなことが自動運転の時代には当たり前になる。
VRヘッドセットでもできることかもしれないが、
旅では、実際に違う人が目の前にいて、違う言葉を喋っている。
そうそう、方言こそ、メタバースなのだ。
今回は、方言というARフィルターの素晴らしさを感じたのが一番の収穫だった。
この旅いぎなしおもせがったべした。
旅で出会った先輩の名言
「歳を重ねると相手のハードウェア(肉体)よりもソフトウェア(教養)を求めるようになる。」
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