科学立国の崩れる音が聴こえる【pirokichi News】
かつての科学立国
我が国には世界に誇るスパコン『富岳』がある。
日本人がノーベル賞を受賞することも珍しいことでは無くなっている印象があり、科学立国として世界をリードしているという認識を持っている方も少なからずいらっしゃると思う。
しかしながらノーベル賞受賞者の受賞対象研究は数十年前のものであり、つまりノーベル賞受賞に値する研究が出来得た環境は"数十年前の日本にはあった"ということはできる。
凋落する科学立国
それでは今はどうか、というと科学立国として世界をリードしているとは到底言い難い。
米国はもとより、急速に成長を遂げる中国などと比較すると、論文の質・量ともにはるかに低い値となっている。
問題点は様々であるが、国や社会の「科学への無理解」も一因であると思われる。
長期的に研究レベルを高く維持するためには、研究資金と人材、環境が必要だが他国と比べても我が国はとても十分とはいえない。
今、社会においてはもはや感染症蔓延が国民生活にまで悪影響が及んでいると言わざるを得ない状況になっている。
これも「科学への無理解」が一因であると言わざるを得ない。
ウレタンマスクの弊害
政府は困ったときには「専門家の声を」と頼るポーズを示すが、決定には科学者の意志が反映されていないことがこれまでにも多数見受けられた。
先の『富岳』がシミュレーションしたマスクの感染防御能力を解析した結果は、メディア等で報道されたので記憶に新しいはずだ。
ウレタンは着け心地はいいのですが、呼吸がしやすい。それは言い方を変えればスカスカだということ
若者を中心に人気の『ウレタンマスク』は、通気性が高く、防御能力はイマイチであるという結果が示されている。
やはりこのウレタンマスク着用が、特に若者世代の感染拡大に拍車を掛けているのではないか。
というニュースがあった。
そもそもマスクは「人気」や「ファッション」、「流行」で選ばれるわけではない。もちろん閉塞感漂う世情で僅かでも明るく楽しい気分にとお洒落に飾りたいという気持ちはわからなくもない。しかし最も優先されることは「感染防御力」この一点に尽きる。
未来のために
未成年者の感染拡大に歯止めを掛けるためにも、科学的証拠に基づいた正しい防御対策が急務だと思われる。
そのために最も必要なのは、科学リテラシーを基礎的能力として幼いうちから身につけることで、そのように政府、自治体が行動しなければならない。
それにはまずはその行動をおこす立場の連中に科学リテラシーがあるかが問題なのだが…。
サイエンスが蔑ろにされてしまっていることに、もはや絶望を感じざるを得ない。
おわりに
常に科学が万能であるとまでは思わないが、いまの異常事態の現状で力を発揮するのはサイエンスだ。
しかし実力が発揮されていない、というより聴く耳を持ってもらえないらしい、為政者に。
もう頼れない、自衛するしかない。
希望の糸口は自ら手繰り寄せるしかないらしい。
逆にいえば「知識があれば自衛出来得たのに、感染してしまった」となってしまうことは残念で仕方がない。
どうか未来のためにも若い世代へと正しい理解が届いて欲しい。
おしまい