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シオカラトンボ命名考
この季節になると野原などで盛んに飛ぶのが、シオカラトンボ。
背中のほんのり青みがかった白っぽい色が印象的です。
ところで、なぜ『シオカラトンボ』というのでしょう?
塩対応
最近は『塩』というと、他者への対応を形容する言葉として使われていますね。
ではいつから、なぜ、そのような使われ方をするようになったのでしょう?数十年も前から耳にする気はしませんけれど。
で、調べてみました。
『現代用語の基礎知識』では2015年版から掲載されているようで、2014年版では見当たらないようです。したがって5年そこらで浸透したかなり新しい言葉であることが窺えます。
そこには 「冷たい対応、素っ気ない応対。人への対応が冷たいことを指す。」と記されております。
またウェブ版の「実用日本語表現辞典」によると、
そっけない、愛想のない、冷淡な接し方を指す言い方。いわゆる「しょっぱい」対応という 意味の語。
と記されており、さらに詳しく以下のように示されています。
「しょっぱい」は主に味の塩辛さを表現する語であるが、この他に、表情などに不快さが表 れている様子を指すことがある。「(相手を)舐めている」という表現が連想されている場合 もある。 「塩対応」は、アイドルの握手会などにおける素っ気ない(ファンとしては残念な)対応を指す表現としてしばしば用いられる。単に「塩」と呼ばれている場合もある。この「塩対応」に 対して、ファンを大事に扱う真心が感じられる対応は「神対応」などと呼ばれる。
この言葉が広く浸透したキッカケには、
フジテレビ系のバラエティー番組「めちゃ×2イケてるッ!」で、アイドルグループ、AKB48の島崎遥香さんの塩対応を変えるという企画が放送されたことからであるとの認識があるようです。
ところで話を戻して、なぜに『シオカラトンボ』と呼ぶのだろう?
シオカラトンボのシオカラ
『シオカラ』と聞くと、一般的には「イカの塩辛」のことを指しますが、他にもタコ、エビ、アミなどありますね。
さらに珍味的には、うるか(鮎)、このわた(ナマコ)、酒盗(カツオ)、莫久来(ナマコ&ホヤ)などがあります。
それぞれ素材の旨みや食感を活かして、ご飯や酒の肴として大変美味です。
さて、そろそろなぜ『シオカラトンボ』と呼ぶのかについて核心に迫りたい。
実は
塩辛昆布(塩昆布)のように粉を吹いているような様から、塩辛蜻蛉と名付けられたのが由来。
雌はこの白い粉状の色付きがみられないので、ムギワラトンボともいわれる。
しかし、トンボの白い粉状に見えるものを舐めても塩辛くはないそう。
って、確かめたひとがいるというわけだから、それに驚く。
ちなみにこの白い物質はワックス状であり、紫外線を防ぐ働きがあり、それゆえに夏の日差しの下でも活発な活動が行える、ということが研究でわかっているらしい。
シオカラトンボは紫外線対策がバッチリであるということ。そして美容には雄の方が積極的であるというのもおもしろい。
おわりに
大層脱線しながらの「シオカラトンボ命名考」でしたが、楽しかったです。
シオカラトンボは止まって羽を休めている間、近くによってもすぐに逃げずに写真を撮る暇を与えてくれました。
その点ではシオカラトンボは『塩対応』ではなく『神対応』だといえると思います。
味も対応もどちらも"しょっぱくない"シオカラトンボでした。
おしまい
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