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『犯罪者』。社会問題がてんこ盛りで重厚すぎるミステリーでした。 | 読書日記

今回は、太田愛さんの『犯罪者』の読書日記です。

本書の主要人物である鑓水、相馬、修司の3名が活躍するトリオシリーズ。2作目の『幻夏』を先に読んでしまいましたが、今回1作目の『犯罪者』を読みました。
『幻夏』の読書日記はこちら⬇️

本作は、通り魔事件から始まり、殺人鬼からの逃走、食品会社の毒物混入、奇病、政治とカネ、不法投棄、訴訟費用…てんこ盛りの事件や社会問題が1つの物語に収斂されていく構成で、とにかく重厚。読み応え抜群のミステリー小説でした。
前半でだいたいの謎が明らかになりつつも、後半は犯人達への逆襲劇となっており最後まで目が離せません。特に後半の逆襲劇は展開と結末が気になりすぎて、週末で一気読みしてしまいました(大変満足な週末)。


個人的に印象深かったのは、敵も味方も計画通りに綺麗にものごとが進まない展開です。敵の失敗はこちらとしてはシメシメだとしても、(読者が応援している)味方勢力の失敗も多く、「えぇ、ここでこーなっちゃうの!?」みたいな展開になりがち。敵が強すぎ&怖すぎで、味方勢力はすぐに何度もピンチに陥るので、ハラハラ・ドキドキが続きます。その展開が面白いっちゃ面白いのですが、一方で、早くハラハラ・ドキドキから解放されたい気持ちもあって、一気に読んでしまいました。笑

2作目よりは1作目の本作の方が、色々な角度で社会問題を重ね合わせてくる重厚感が好みでした。3作目『天上の葦』も読んでみたいと思います!


さいごに

noteをご覧いただきまして、ありがとうございます。
ストーリーを語ることが苦手なわたしですが、今後とも面白いと思ってもらえるnoteを継続的に発信していきたいと思います。

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