ロスタイムを自分に許す〜煩悩にまみれる日〜
私は時々、スイッチがプツン、と切れる。
ブレーカーが落ちる、という表現の方が的確かもしれない。
会社員時代、それは「体調不良」という形で、半強制的にシャットダウンを余儀なくされる日として、訪れた。
会社員を辞めた今は、朝起きると「ああ、今日はあかん日やな」という直感がおりてくる。
いろいろ予定を詰め込みすぎて、そして、なかなかうまくまわらない現状に少々息切れしているような時が多いだろうか。
おそらく、体調不良の一歩手前の段階で、自分が自分に警告を出しているのかもしれない。
そんな日は、もう、潔く、全てを諦めることにしている。
幸い、今は自分でスケジューリングできる仕事でもあり、1日くらいなら、ぽっかり空いた穴の埋め合わせは、意外となんとかなるものだ。
とはいえ、その日にお客様のインタビューや大切な予定が入っていれば、それは当然切り替えて行くしかないのであるが、オフの日にあたったら、もう、その日はひたすら煩悩にまみれる日にチェンジ。
書きかけの原稿も、毎日更新を決めたnoteも、家事もオフ。
いろいろな心配や、あれもこれもやらなきゃという焦りも、ちょっと横に置く。
そして、自分の感情と向き合い、感覚のままにやりたいことをやる。そんな日に切り替える。
ハンモックチェアを引っ張り出し、ゆらゆらと揺られながら自分の思いをノートにひたすた書き綴る。
すると白猫がぴょこん、と膝にのってきて、優雅に毛繕いを始める。
こうなると書き物もゆっくりできないので、彼女の背中をゆっくりとなぜながら、ひたすらぼーっと、思いを巡らせる。
イヤホン越しに、大好きな音楽を1曲リピートでエンドレスに聴く。
気がつけば、膝の上の白猫が気持ちよさそうに寝息をたててバンザイの姿勢で無防備な寝姿を晒している。
その顎下を、指先でゆっくりとなぜながら、また自分のどろどろとした想いの中に、深く深く埋もれて行く。
頭の中はぐるぐるといろいろな思考がうずまき、どっぷりと自分の感情を感じ切り、泣いたり、しかめっつらをしたり、そんなことをしていうるちに、うとうとと夢の中に堕ちていったり。
好きな楽器を弾いたり、歌ったり、絵を描いたりすることもある。
パステルを指でこすりながら、自分の感情を画用紙にのばしていく感覚も悪くない。
このタイミングで小説を書き出すことも多い。
いずれにしても、自分の思いや感情、ぐるぐると出口のない思考に、どっぷりと浸ってみる。
一見、ロスタイムに思えるこの時間が、実は結構大切だと感じている。
人間は中途半端に色々な思いを抱えるから、悶々とする。
だったら、思いっきり浸って、吐き出して、泣いて、怒って、迷って、自問自答して、そして今の自分を認めてあげる。
そのプロセスをしっかりとれれば、自然と前を向くしかなくなる。
そして周りはいつだって優しい。
白猫も黒猫も、かわりばんこに私の膝にやってきて、グツグツ喉を鳴らし、昼寝をしては去って行く。
何かを察した息子は「夕飯、出前館とるね」と、ペイペイで夕飯代を請求してくる。
そんな優しい家族に見守られて、こうして私はまたパソコンを開き、いつもの日常に戻る。
淡々と生きるために、必要な時間。
無理に自分を鼓舞せず、ダメな自分を許す時間。
人によっては、それは1日ではなく、3日なのかもしれない。
もしかしたら、1週間なのか、1ヶ月なのか、1年なのか、それ以上なのかもしれない。
でも、そんな時間は、私の経験上、決して無駄にはならない。
ロスタイムだって、大切な人生の1ページ。
その時間があるから、今の私があるのだ。
ロスタイムを自分に許せるようになると、人にも優しくなれるような気がする。
今、あなたが人生のロスタイムを過ごしている、と感じているなら。
大丈夫。
それは未来へ進むための大切な休息時間。
その時間は、自分に思いっきり浸って、自分の感情を味わいつくすといい。
やりたくないことは全部やめて、心からやりたいと思うことだけを、やってみる。
そんな日があっても、いいよね。
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