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第8章 プードル 変化(へんげ)の妙(みょう) 貴婦人の寵愛から舞台の華まで
「さあ、見せてごらん!」
絢爛豪華なシャンデリアの下、きらびやかな衣装を纏った貴婦人たちが期待に胸を膨らませて見つめる先には、一頭の犬がいた。
その犬は軽快な音楽に合わせてステップを踏み、愛らしい仕草で観客を魅了する。
その洗練された身のこなし、知的な瞳は集まった人々をたちまち虜にし、惜しみない拍手と歓声が宮廷に響き渡る。
プードル。
中世ヨーロッパで水辺の猟犬として誕生したこの犬種は時代とともにその役割を大きく変え、貴族の愛玩犬、そして舞台で人々を楽しませるエンターテイナーとしてその名を歴史に刻んできた。
水辺で獲物を回収する実用犬から王侯貴族の寵愛を受ける愛玩犬、そして人々を魅了する舞台役者へ。
プードルはどのように変化を遂げ人々の心を捉えてきたのだろうか。
変化(へんげ)の妙(みょう)とも言えるその軌跡を紐解いていく。
水辺の仕事人 実用犬としての起源と特徴
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