第6章 ジャーマン・シェパード 人と犬の理想 忠実なる相棒

「行け！シェパード！」
第一次世界大戦の戦場で砲弾の炸裂音と兵士たちの叫びが交錯する中、兵士の命令を受け勇敢に戦場を駆け抜ける一頭の犬。
その姿は硝煙と土埃にまみれながらも、力強くそして任務を遂行しようとする強い意志に満ちていた。
ジャーマン・シェパード。
十九世紀末のドイツで牧羊犬として誕生したこの犬種は、その優れた能力と忠誠心で警察犬、軍用犬、災害救助犬、盲導犬、そして家庭犬として世界中で愛される存在となった。
その活躍の場は多岐にわたり、まさに人と犬の理想的な関係を体現していると言えるだろう。
この物語を第六章に選んだのは、人間の理想を体現するかのようなジャーマン・シェパードを通して、人と犬の協力関係、そして犬の持つ無限の可能性を描きたかったからだ。
牧羊犬から軍用犬、そして家庭犬へ。
ジャーマン・シェパードはどのように進化し、人々の生活に貢献してきたのだろうか。
人と犬の理想を追求した物語を紐解いていく。

牧羊犬の誕生 知性と能力の徹底的な追求