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ナマケモノ

木にぶら下がり何もしない動物ナマケモノ。
身体の仕組みが不思議な動物です。

身体に熱を逃がす器官がない為、運動などで体温が上昇してしまうと、そのまま死に至ることもあるそうです。
それで動かないのかも知れませんね。

1日たったの葉っぱ8枚で生きていける。
それにも関わらず、ナマケモノの最も多い死因は餓死。
消化からエネルギーに変えるまでに、時間がかかりすぎることが原因みたいです。
なので胃の中に葉っぱがたくさんあっても、餓死してしまう。
一瞬頭が混乱してしまいますが、満腹状態での餓死です。

そしてこれは身体の仕組みというより、心の仕組みなのですが、度肝を抜かれました。

ナマケモノは外敵に襲われた際に、死を覚悟する。
そして少しでも痛みを和らげる為に、全身を脱力し、外敵に身を捧げる。

「ナマケモノたる者、死を前にして尚、ナマケル。」

ここまで怠けが極まっているとは思いませんでした。
悟りの境地ですよね。心に一切の迷いがない。

一生懸命になると、それは怠けではなくなる。

生にしがみついて抵抗するわけもなく、苦痛すらも感じたくはない。
最も何もしていない状態、脱力の状態で死を覚悟する。
おそらく地球上の生物で、外敵に襲われた際にこの「脱力の極意」を発動できるのは、ナマケモノだけなのではないでしょうか。

他の生物では、どうしても力が入ってしまうはずです。
「生きたい」という気持ちが、無意識に身体を動かし、必死の抵抗をする。

その行為は美しいですが、生への執着という意味では、同時に見苦しくもある。

ナマケモノの死を覚悟し、死に身を捧げる行為。

その行為は美しく、同時に美しい。

自然界の摂理の中では、生に執着しない役割もあっていいと思います。

人間には決して真似できない。
だからこそ人間は、どこまでも生に執着して生きるべきです。

辛いからといって、自らの命を絶つ行為はナマケモノに失礼です。
ナマケモノのように怠けが極まっていないあなたは、どうか生きてください。

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