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推ッス、ヨネダ2000!!!

久しぶりにM -1グランプリ(2022)を見たら、超好みのコンビに出会ってしまった!
彼女たちの存在に、五体投地で感謝を表したいと思う。

「ヨネダ2000」はとっても新しい2人組だ。
ネタ的にはもちろん、「女芸人」というくくりでも。

吉本興業株式会社HPより引用。右が愛ちゃん、左が誠ちゃん。

遅まきながら彼女たちのYoutubeチャンネルを見たけど、すべてが『変』で良かった・・・。そこには圧倒的な自由があった。

まずは、ヨネダ2000の経歴をざっとご紹介させていただこう。

共にNSC東京校23期出身。
(中略)
『M-1グランプリ』では2020年こそ1回戦敗退に終わったものの、翌年の2021年大会では結成2年目にして準決勝まで進出した。
『女芸人No.1決定戦 THE W』では2020年にて準決勝進出、2021年では決勝進出を果たし出番はトップバッターとなる。またこれが地上波初出演であり、誠(当時の芸名は清水亜真音)はTHE Wの史上最年少ファイナリストとなった。2022年には初めて最終決戦に進出。
(中略)
初出場にて、2022年第43回ABCお笑いグランプリ決勝進出を果たす。
2022年、M-1グランプリ2022で決勝進出。

Wikipediaより引用

優勝をするには新しすぎたんじゃないかと、個人的には思っている。


そんなヨネダ2000が、M-1で披露したネタ。これがまあ最高に面白かったんだ!

話は誠ちゃんが愛ちゃんにヘンテコな要求をするところから始まる。

「ペッタンコーと言って餅をついてくれない?」

誠ちゃんは「ロンドンで餅つきをして一稼ぎする算段」をつけたらしい。
愛ちゃんは、戸惑いながらもそれに応じる。

そしてドスンとその場に立って、言われた通り餅つきを開始。
そこに誠ちゃんが複数の人物を演じながら、歌やリズムで絡んでいく流れだ。

やがて観客もそのノリに巻き込まれ、笑いのボルテージがどんどん上がってきたところで、唐突にエンド。

Youtubeでこのパターンの別ネタを3本見たけど、ハズレはひとつもなし。

ミルクボーイの「それ絶対**やないか!」的な鉄板力を持っていた。


ところで彼女たちを「新しい」と感じるのはなぜか。

まずボケとツッコミという典型を取らないこと。かといって笑い飯のようにボケ&ボケでもない。

誠ちゃんが繰り広げる「不条理ワールド」に、戸惑いながらも参加してあげる普通の人愛ちゃん、というのが型で・・・

うーん、上手く表せないと思っていたら、誠ちゃんが自分で「うちは『ボケ(誠ちゃん)とその優しいお友達』って感じですかね」と言っていた。

さすが当人、その通り!!!
ボケと優しいお友達・・・いいなあ、こんなの見たことないよ。

それからリズム系漫才に物語性を加えたこと。

リズム系といえばジャルジャルが浮かぶけど(当然に大好き)、彼らはリズムの持つ面白さ自体をメインとしていた。

対してヨネダ2000はリズムを軸にはするけど、メインはあくまで誠ちゃんが繰り広げる不条理ストーリーなのだ。

でもメッセージ性、意味などはないから、リズムと親和して、笑いが倍増していく仕組みだ。

リズム系の新境地を開拓したんだと思っている。

あとは・・・ツッコミのスタイルかな

普通は不条理ボケに、ツッコミがその変さを指摘する。
ここ数年は、ボケを全肯定するツッコミも生まれた(例:ぺこぱ)

でも愛ちゃんは「優しいお友達」だから、どちらもしない。
「お友達」だから、するのは・・・

協力だ!!


お友達の協力により、ボケの不条理ワールドはのびのび展開し、とどまることなく広がり羽ばたく。
結果、見る側の笑いは加速する。これは全員お得な「win-win-win」漫才じゃないだろうか。


またヨネダ2000は、「女性漫才師」という分野でも新しい。
性別の冠詞を一切感じさせないからだ。

これまでいろいろな女性漫才師を見てきたけど、彼女たちにはいつも「女性」という冠詞がついていた。どんなに技量があってもだ。

例えば海原やすよ・ともこ。私は彼女たちの漫才がとっても好きだ。上手くて面白くて、こちらもハズレがまずない。

でも、そのネタはいつも「女の子のおしゃべり」に終始する。
関東VS関西ネタでも、中身は女性特有の話題。

性別という、漫才界にどでんと横たわるハンデを利用しつくすのは正しい。
けれど安定と引き換えに、ネタの広がりが弱まる欠点を持つ。

もちろんこの冠詞を超えようとした、あるいは越えた人たちもいた。
でも今度は「女を捨てた」という冠詞がつく。あるいは「女だてらに」とか。

どこまでいっても「女」は取れない。その枠から抜け出せない。

漫才に性別なくない?と思うけれど、冠詞を捨てきれないのは多分、女性漫才師側もそれを望んでいないからだろう。

私も「女性として扱われたい」という気持ちを捨て去れないから、すごくわかる。
わかるからこそ、この冠詞がいつも悔しかった。

囚われる自分を投影していたのだろうか。

でもヨネダ2000は、この鬱靴を軽々と超えてくれた。
だって彼女たちのネタを見て感じてるのはただ一つ。

「すっごく面白いことやる人たち」


ってことだけ。
女性性を抑圧している印象も、全く受けない。
もちろん女を「捨ててる」感じも、全然しない。

そこがすっごく、すっごくいいんだ。
笑いを楽しく作ってるだけなのが、もう最高なんだ。

ああ、かっこいいな、かわいいな!!

今後は色々な番組に出るのだろうか?
でも、ひな壇で扱われる姿見たくない。ロケとか見たくない。

いや、心配いらないよね。彼女たちは自分の道を淡々と歩くだろうから。


新しいことを始める人って、体からピカピカピカと光っている。
そして、見ている側に「新しいことやりたい欲」が伝染しちゃう。

ああ、そうだ。彼女たちは夢中に発信しているんだ。だから光っているんだね。

私もその余波をありがたく受け取って、また一つ新しいことをはじめてやろうと胸が高鳴っている。

素敵なエネルギーって伝染するんだ。
本当にありがとう、ヨネダ2000。


*へびあし*

誠ちゃんが愛ちゃんに変なことを頼む時、愛ちゃんのお腹に手をそっと当てるんですよ。

それが、「絶対に自分の思う通りにしてもらうから!という強い意志を持って勧誘する人(新興宗教とか啓発系セミナーとか)」の動きそのもので、すごいの入れてくるなーと思いました。

観察眼もサイコーですね。ほんとかっこよ!!




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