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なぜ、こんな事になったのでしょうか?
こんにちは、ぷるるです。
今日も我が身に起きた、ささやかな出来事を聞いてください。
先週、私はお気に入りの公園へ散歩に出かけました。
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そして新緑を堪能しながら、こう思ったんです。
「私はうっかり者を卒業したかもしれない・・・」、と。
物心ついた時から、私はずっと「うっかり者」でした。
例えば、飛行機チケットを忘れて空港へ行く。
例えば、あまりに鍵をなくすので、ネックレスにしていた時期がある
例えば、お客様Aから株の注文を受け、お客様Bの名義で買ってしまった
(かつて株は、証券会社の社員を通してしか買えませんでした)。
例えば・・・以下略
いつもヒヤヒヤしながら生きるのは、精神上よろしくありません。
この支配から卒業するため、私はあらゆる手段を試してきました。
手の甲へメモ、語呂合わせ、メモリストバンドの活用、自己批判、自分褒め、スマホのリマインダー活用、暗示、坐禅、滝行・・・
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まあ滝行は嘘ですが、他はすべて事実。そしてどれも無駄でした。
しかしここ1年ほど、私はうっかり事件を起こしてはいなかったのです。
飛行機チケットは、同行者に託す技を開発。
鍵のありかは、常に把握できるシステムを導入。
株注文は、個人でやる時代に。
何度も確認しましたが、やはり2023年はしっかり日々を過ごしてきた。
ああ、なんという事でしょう。
知らぬ間に、『なりたい自分』に変化をしていたのです!
でも・・・・。
不思議なものですね。いざ卒業となると、なんだかちょっぴり寂しい。
うっかり仲間の面々が、浮かんでは消えていきます。
(うっかり者は同病相哀れむため、常に仲間を発見するものなのです)
「またやっちゃったよ・・・」と、泣きながら電話した日は、もはや過去。
爽やかな初夏の風を受けながら、いつしか私は微笑んでいました。
そして、こう思ったんです。
「そうだ、カーテン取りに行かなくちゃ!」、と。
ご心配なく、頭はどうかしていません。
ただGW前、リビングのレースカーテンが経年劣化で破れただけなんです。
その窓がちょいと大きめだったので、注文する羽目になりまして。
そのことを急に思い出した私は、早速カーテン店へ向かいました。
完成日を覚えているなんて、私には奇跡的なこと。
やはりうっかりは卒業していたようです。
でも付け替え作業終了時に、私はこう叫んでいました。
「グエッ!!」
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カーテンの長さが、足りない!!!
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注文書の複写には、確かに私の字で希望の長さが書いてありました。
その通りにカーテンは、出来上がってきたのです。
メインカーテンではありませんし、我が家は来客も少ない。
笑い話で済む案件ではあります。
ただ問題は、私がこのカーテンを買うために、
3回も長さを測った
という点なのです。
最初はスマホの計測アプリを活用しました。
でも私はうっかり者ですから、念の為メジャーで再度測りました。
でも私はかつて検算を5回やって全部違う数字を出した強者ですから、再々度メジャーで測り直しました。
その数値をすぐ紙とスマホにWメモし、2回ずつ見直して、「***cm、おけ!」と復唱後、買いに出かけたのでした。
だのに、なぜ、こんな結果になるのですか?
うっかり者にはいつだって、「原因」がわからない。
あの確認は、復唱は、作業手順書はなんだったのか?
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詰まるところ、うっかりは治ってなどいませんでした。
奴はこちらが油断するのを、じっくり待ち構えていただけなのです。
私は膝から崩れ落ち、カーテンを見上げました。
午前中の誇らしい気持ちが、塵となって消えていきます。
その事実が耐えられなかったからでしょうか。
気づくと私は、こう考えていました。
「グエッって、前にも言った事があるな・・・」
一度考え出したら、止まらないのは人の性(さが)。
いつしか私は、忘れていた古い記憶を掘り起こしていました。
それは小学2年生のこと。
通学途中に、大学生の下宿用アパートがありました。
隣に大家さんの家がある、昭和によく見たタイプです。
ある朝そのアパートの前に、シャム猫が寝ていました。
当時シャム猫は非常に珍しく、実物を見るのは初めて。
青い瞳となめらなか毛並みに、私は激しく興奮しました。
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すると2階の窓から「それ俺の猫。触ってもいいよ〜」との声が。
見上げれば大学生のお兄さんが、笑顔でオッケーマークを出しています。
電車通学で集団登校ではなかったため、遅刻の危険を忠告してくれる人は、誰もいませんでした。
私がそっと撫でると、猫は「ニー」と小さく鳴いて私を見上げます。
なんて可愛いんだろう!!!
テンション上がった私は、猫を抱き上げ膝に乗せました。
でもその瞬間、なぜか自分がとても臭くなりました。あと膝が冷たく・・・。
なんとシャム猫が、ゲーリーをかましていたのです!
「グエッ!!」
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それを見ていたお兄さんは、飛んできて猫を抱き上げました。
しかし私のスカートは、すでに茶色のアレまみれ。
そう。可哀想に猫は体調が悪かったのでした・・・
その後のパニックは皆さまのご想像どおりです。
泣き出す私、平謝りのお兄さん、臭いスカート。
騒ぎに驚く大家さん、その連絡で駆けつけた母、叱られる私。
学校へ遅刻、叱られる私、湿ったスカート。
臭いと共によみがえった記憶に、私は一層どんよりしました。
くだらない事ばっかり、起きているじゃあないか!
でも、その瞬間こう思ったんです。
これらの共通点は、「何故こんなことに?信じられない!信じたくない!」との強い気持ち。
つまりそんな時に「グエッ!!」と叫ぶ習性が、あるのではないかと。
しかし、この仮説にはいささか疑問も残ります。
先ほどの気持ちは、うっかりのたびに毎回思ってきたこと。
でもいつも「グエッ!!」とは言っていないからです。
とはいえ、単に忘れているだけという可能性も捨てきれません。
なぜなら私は忘れっぽいという習性も、持ち合わせているのです。
では、真相を知るにはどうすれば良いのか・・・。
と考えたところで、ふとこう思ったんです。
これ一体、
なんのはなしですか?
はっきりしているのは、カーテンは今も短いままという事。
皆さまは、どうか良き5月をお過ごしください。
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