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[2021-15] ヒトの言葉 機械の言葉 「人工知能と話す」以前の言語学

読了。何の話かは一目瞭然。中心的な話題は、コンピュータは意味を理解することが果たしてできるのか?そもそも意味を理解したとは、どのような状態をさすのか?そこから意見の分かれ目がある。

この本を読んで思うのは、人間のほうが人工知能的なものに最適化してしまって、人工知能は言葉を理解していると扱うようになる可能性があり、それこそが人間の知性の柔軟性だと考えられる一方、その最適化には、何かの問題、恐れ、間違いが潜んでしまうように思う。特に認知の在り方が変化することで、人工知能が生成したメッセージを真に受けてしまう人間というのが、どんどん増えてしまうという事態は、今の時代でも感じる社会の仮想化的な質感がより一層高まってしまうことを懸念する。信用通貨の発明が、第1段階の社会仮想化に貢献したとしたならば、人工知能の発明は、第2段階の社会仮想化に貢献するかもしれない。それで、ヒトの中に存在する不安や憤りは解消するのかどうか。それどころか、どんどんと袋小路においやられてしまうのではないか?という気持ちになった。

人は仕事の効率性をあげていくことばかりに熱心に取り組んできたけれどもその結果として、身体性を徐々に失っているのは間違いないだろう。だからといって、この効率化した社会を逆回転させることはできず、ただ前に進んでいくしかないのも自明で、そーゆー意味で株式会社というのは、人間の前進しかできない志向にマッチしているのかもしれない。

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