弱いロボットとおばあちゃん|ぼんやりノート
自分ではゴミが集められず、ただヨタヨタと歩くだけのゴミ箱型ロボット。
昔話を話している途中で、つづきを忘れてしまって「えーと…」といってしまうロボット。
こういう弱いロボットを子どもたちの前におくと、
子どもたちはゴミを拾ってゴミ箱型ロボットに入れてくれたり、
話のつづきをロボットに教えてくれたりと、協力してくれるらしい。
弱いロボット、何かに似てる。
わたしの母だ。
わたしの子どもから見れば、おばあちゃんである。
うちは、おばあちゃん、わたしたち夫婦、子どもの3世代同居である。
ふだんから、おばあちゃんが家事をしたり、家族全員でリビングを使ったりしている。
で、おばあちゃんのふだんの様子を見ていると、
皿洗いをしてくれるが、白内障で目がわるいので、洗い残しがあったりする。
なにかしようと思ってリビングに来たが、なにをしに来たか忘れてしまって「なんだっけ…まあいいか」と自分の部屋に引きかえしていく。
弱いロボットとイメージが重なる。
おばあちゃんは、自分でもいろいろな衰えを感じている、と話していた。
そして、うれしそうに
「もうすこし大きくなったら○○ちゃん(私の子ども)に助けてもらうからいいんだよねー」
と、子どもによく話しかけている。
まだまだ子どもは小さいので、おばあちゃんを手伝ったりすることはない。
わたしは、今は亡き祖父母を手助けしたり、教えてあげたりした記憶がない。
だから「助けてくれる…そんなにうまくいくのかしら」と半信半疑だった。
けれど、弱いロボットの話をよんで、「子どもはおばあちゃんを助けるだろう」と自然に思えるようになった。
そして、おばあちゃんという、身体的にちょっと弱い存在が、子どものそばにいてくれてよかった、きっと家族のつながりが強くなる、とも。
その後も、何度も途中でお話を忘れては子どもたちに教えてもらい、昔話を完成させていきます。こうやって、ロボットと楽しくコミュニケーションすることで、子どもたち同士がつながるきっかけになっているので不思議です。(中略)
「忘れちゃった」と弱さを見せているだけで、ロボットと子どもが同じ方向を向いて思考を調整し合うことができたのです。
このようにどこかに弱さがあると、特別な指示を出さずとも、周りを補おうと協力してくれるようになる。(中略)
不完全さがあるほうが相手との協力を引き出し、コミュニケーションを豊かにしているといえます。
不便や不都合もある3世代同居。
けれど、良いこともありそう。そう思った。
あとは、おばあちゃんが元気に長生きできるようにサポートする。
家事、育児、介護、仕事になったら、体力の少ないわたしは、ほんとうに詰んでしまう。
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