【note版】すでに懐かしいエリザベス英女王の「プラチナ・ジュビリー」
その規模も意義も史上最大級?だったはずの、エリザベス英女王在位70年を記念する祝賀行事「プラチナ・ジュビリー」を無事やり遂げ(きっと、国中がホッとしたのでは?!)、与党・保守党の新党首になったリズ・トラス氏を新首相へ任命する役目もしっかりこなしたその直後(2日後)に崩御されるとは、最後まで
(あなた方の公僕)だったことに、本当に感銘を受けました。この表紙画像に用いたように、私が来英直後、初めて目にしたこの女王に付随してよく出てくる「サーバント(servant)」という言葉。
召使いとか使用人という意味だから・・なになに?わざわざ「わたしの下僕、家来ども」とでも、声高々に主張してるの?と、あまりよくわかっていなかったのですが、住むうちにそうではなく「女王様が国民皆に尽くす、人生すべてを全国民に捧げる」という意味だと理解しました。
お亡くなりになった、毎年のように夏を過ごされていたスコットランドのバルモラル城やバッキンガム宮殿、ウインザー城など王室関連の施設では花を手向ける市民であふれていますが(ロンドンに向かう電車の中でも、それらしき花を持った乗客をよく見かけました)、市井(観光地以外の場所、住宅街)ではわりと淡々とした日常が繰り広げられています。
きっと皆、哀しみやさまざまな感情は胸の内に秘めて、忙しい毎日を同じようにこなしているのでしょう。家を一歩出たら、道行く人みな黒でも身につけているかと内心ドキドキしていたのですが(例えばタイのような国では、きっとそうでしょうから・・)、そんなことは一切なく、全身黒尽くめで子供の迎えなどに出なくてよかったとホッとしました💦
今日はチャールズ皇太子が、次期国王として新たに即位されました。19日に葬儀が行われますが、いま、わが家の近辺ではなぜか花火が打ち上がり、真夜中にガンガン音楽をかけてなにやらまた(!どこの家か予測がついています。女子高生がいらっしゃるあのお宅かと・・)パーティーを開いているようです😦2日明けて、国民も女王のよい想い出で各自偲ぶ体勢が整ってきたようなので、その延長なんでしょうね、きっと?!
※以下は他媒体に掲載中の記事から転載(自著)した、過去のものです。noteには私の個人的な記録として一部割愛、再編集(くだけた文調や写真のキャプション、絵文字など)したものをお届けします。フルバージョンの原文はこちらをご参照ください(2022年6月3日執筆分)。
2022年6月2日はエリザベス英女王陛下の“公式誕生日”であり、即位70周年を祝う祭事期間「プラチナ・ジュビリー」の第1日目でした。
これから週末の6月5日にかけて、毎日関連イベントが各地で目白押しです。今年2022年は、行事に合わせて2日木曜日と3日の金曜日が特別に祝日となります。初日の木曜日は、女王の公邸であるバッキンガム宮殿周辺で盛大なパレードが行われました。
現在96歳のエリザベス女王は、存命中の君主としては世界最高齢です。プラチナ・ジュビリーは、英王室の公式ウェブサイトでも「前例のない記念日」として紹介されており、この歴史的な瞬間を見届けるべく、当日バッキンガム宮殿へ向かいました。チケットがいるということも知らずに……。
置き土産は大量の馬糞
宮殿に向かう「バッキンガム・パレス・ロード」に到着したのは、11時も近く。この時点で、そもそも“本気度”がまったく見られません。お誕生日パレードは11時に始まるとあったので、もっと人でゴッタ返し、緊迫した光景が見られるかと思いきや、さほど混み合ってはおらず、行き交う人々の様子もノンビリしています。
怪訝に思いながらも、途中から歩行者天国になっている道を歩き進めると、なにやら臭ってきます…。人と人との隙間から、ときおり見えるアスファルトの地面。必死で何かを掃いている清掃員。真ん中だけポッカリ空いている道路。
……察するに、周りでもささやかれていたとおり、どうやら馬車はすでに通り過ぎて行ってしまったようです。主役のいない空虚な場に残されたのは、大量の馬糞と、その残り香でした。
しかも、普段はなにごともなく突っ切れるはずの道が途中で閉鎖され、これ以上先は「クイーンズ・ギャラリー席のチケット」所持者しか入れないと、言い渡されてしまいました。
期間限定で開けられる宮殿ショップで、ジュビリー土産はいかが?
周囲には私と同じく呆然とし、行き止まりの壁を恨めしそうに眺める人でいっぱいでした。そんなこともあろうかと心していたので、パレードのことは早々に諦め、残る唯一の希望である王立空軍による航空ショー(flypast)を待つことにしました。
これならたとえ一部でも、引き続き周辺で居残る限りは見えるだろうと思い、とりあえず無料のユニオン・ジャック旗をいただき、気持ちを入れ替えました。
ふと顔を上げると、普段はいつも固く閉ざされている門がこの日は開いており、人が外まで並んでいます。王室専用の厩(うまや)である「ロイヤル・ミューズ(The Royal Mews)」のショップでした。
こちらには、いまも現役で女王とその王族関係者たちの馬車を引く馬と、その飼育員が実際に暮らしています。館内では、これらの馬を見られるだけでなく、各記念行事ごとに使われてきた、歴代の馬車や公用車の展示、ほかに馬車に座れる“試乗体験”もあるようです。
ただし、バッキンガム宮殿同様、公開は限られた期間のみで、この日はジュビリー・ウィークのため、ショップだけが開いていました。ちょうど暇ができてしまったので、さっそく入場しジュビリー記念の限定品を購入しました。なお、対面にある別の公式ショップの方が広い分、品揃えも豊富で、前年の女王誕生日記念品がまだ売られていたりしました。
ついに!バッチリ激写できた航空ショー
土産物を購入した程度ではまだまだ時間は潰せないので、さらに周辺を散策します。エリザベス女王の愛犬であるコーギー犬をテーマにしたオブジェが、ところどころに設置されていました。
12:50頃に再び宮殿近くの場所に戻ると、来たときより仮装した人やユニオン・ジャックを身にまとう人が増えており、皆私と目的は同じようです。この頃にはヘリコプターが2機、ホバリング(空中停止)しているのが上空に見えました。
こうなるともはや、時計を見ている余裕もないので不明でしたが、予定通りならば午後1時より待ち望んでいた航空ショーが始まったはずです。今回は70周年に因んで70機の航空機が参加しましたが、これは前回2019年に行われた女王の誕生日式典よりも規模が倍だそうです。
観覧席チケットを購入した人たちは、隊列も数字の70を模すなど、難易度の高いショーも十分堪能できたでしょうが、“場外”であった私は、数回軍用機やヘリコプターが通り過ぎるのを見ただけでした(と思ったら、帰って写真を見てみたら
ちゃんとバッチリ写ってました✨)。
それでも機体が現れるたびに周囲は歓声に包まれ、最後は「レッド・アローズ」こと、真っ赤な機体のアクロバット飛行チームが、ユニオンカラー(赤、白、青)の煙幕を出しながら通過するのをしっかり見ることができました!
今週はずっと、朝晴れていても午後になると急に雨が降り出すことが多く、前日もちょうど13時頃に大雨が降りました。それにもかかわらず、この日は終日すばらしい天気に恵まれ、エリザベス女王の力はこんなところにまで及んでいるのだな、と敬服しました。
世界中で報道されたであろうこの日の行事、帰り際にはフランスのテレビ局にインタビューされている派手な衣装のグループを見かけました。さすがは業界人?私はインタビューを受けているイギリス人の若者たちよりも、フランス語でレポートする爽やかなレポーターに目が釘付けに😍