ワイルド・ワールド/大きな愛のカタマリの願い
Maxi Priest - Wild World
★★★
★★★
満月の日だった。
わたしは用事でサヌールへ行くため、ひとりでバイクを走らせていた。午前10時過ぎ、まだ日差しはそれほど強くなく、風を切ってバイクに乗るのは気持ちがいい。わたしのガイドもこの時間がお気に入りのようだ。
近年ここでも車が多くなったが、それでもバイク人口は減ることがない。その日もいつものように前を何台ものバイクが走っていた。そのときわたしの前を走る人の黒いTシャツに目が留まった。
「日本語で何か書いてある…。」そう思ってよく見ると縦書きのカタカナで、『クロス』と書いてある。毛筆で書かれたみたいな書体。文字の下には羽を広げた蝶の絵。どこかの知らないバンドのバンドTなのかな?となんとなく思った。そんな雰囲気だったから。
またしばらく走らせていると、今度は白っぽいジャケットを着た、ちょっとふっくらとした男の人がいる。ジャケットの文字ははっきりと読めた。
『IT'S A WILD WORLD』
何故かとても気になった。
いつもはすぐに忘れてしまうのだが、その日はずっとそのことが頭の中を離れなかった。出会うもの『すべてはメッセージ』、なのだろう。
★★★
夜、インスタでクリスタルボウルのライブがあった。Kaloさんのライブでは、よくビジョンを見たり、不思議な体験をするので、毎回楽しみにしている。
その日は演奏が始まった途端、頭部をぐるぐるとエネルギーが回っている感覚があった。しばらくすると、そのぐるぐるが眉間の高さで固定され、そのうちそのぐるぐるが縦になって回りだした。縦のぐるぐるは胸の辺りから頭頂まで伸びている。
横から縦になり、縦からまた横になる。そのくり返し。そのエネルギーの動きがちょうど十字架切ってるみたいだと思った。その間、眉間はずっとビリビリとした圧力をかけられている感じだった。
そのとき思った。午前中に見た『クロス』はこのことだったんじゃないかなって。
『クロス(Cross)』=『十字架』
ライブの後、このことをKaloさんに報告したら、いつもは叩くだけの眉間のチャクラのボウルを、その日は真ん中に置いてクルクルまわして鳴らしていたそう。
そのエネルギーの十字架はなんとなく、横が人間界を表し、縦が高次元だと感じた。それが交わるところが眉間のチャクラ。
文字の下に描かれていた蝶は高次元との繋がりが強い存在と言われているらしいし、ちょっと不思議なシンクロだった。
★★★
サヌールから家に帰って、調べてみた。何かの曲名だと思ったから。
やっぱり。キャット・スティーヴンスの『ワイルド・ワールド』。有名だし、よく知っている曲だった。でも違う。わたしが聴いてたバージョンとは違う。ミスター・ビッグ?いや、違うでしょ。
そして見つけた。マキシー・プリーストだ。
バリに通い始めた頃から、わたしの音楽の趣味が脱線しだした。南国の日差しにやられたのか、レゲエなんかを聴きだしちゃって。マキシー・プリーストはその頃アスワドなどと一緒に好んで聴いていた。
あれから脳内でレゲエ調『ワイルド・ワールド』が鳴り止まない。だからずっと歌詞の意味を考えていた。
わたしは何のためにこの地球に生まれてきたのか。自分を知るためだ。そのためにわたしは、大きな愛のカタマリから離れて、この世界にやってきた。すべての愛を忘れて。
私が居た『大きな愛のカタマリ』とは、宇宙、神、創造主など呼び方は色々ある。この曲はその『大きな愛のカタマリ』からの視点の曲ではないか?すべてを包み込むような、優しい男性的な愛の視点。
『大きな愛のカタマリ』は悲しんでいたのだ。わたしが、愛から離れて愛を忘れしまうことを。そして祈ってくれていた。わたしが荒波にもまれてもなお、自分を見つけ、仲間を見つけ、生き延びることを。
★★★
日曜日、海へ行った。海に行こうと言うのはだいたい夫だ。バリ人にとって海に行くというのは、レジャーと言うより、お清めの意味がある。
いつも静かなはずの海は、その日はなぜか荒れていた。波に抵抗しようとすると、カラダに変な力が入る。一番楽なのは、波にゆだねてしまうことだ。
人生も同じだな、と思った。流れに逆らって自分の思い通りにしようとすると、それは大抵の場合、うまくいかない。流れに身をゆだね、そしてあるがままの自分を受け入れることで、生きることが本当に楽になる。
わたしは波に身を躍らされながら、『ワイルド・ワールド』を唄ってた。(実際は、流されっぱなしだと、砂浜に置いた荷物から遠ざかっちゃうんで、少しずつ戻ってたけどね笑)
1時間くらい海に浸かってビーチから帰る途中、雨が降ってきた。離れたところに駐車していたので、歩いてる間に結構濡れちゃった。突然の雨は、『天からの聖水』と思うようにしている。そのほうが「濡れて最悪!」と思うよりずっといい。
あれから1週間、今もまだ、脳内再生は続いている。
十字架と、『ワイルド・ワールド』、
なんか、そろそろ思い出してはどうかと言われているような気がする。
愛を思い出して、大きな愛のカタマリに戻っていきたい。
そんな気持ちが、大きくなっている。
Kaloさんのアカウント✨
オリジナルのキャット・スティーブンス
ミスター・ビッグも有名みたい
Spotify:noteで書いた曲をプレイリストにしています
見出し画像
リーディングのご案内
最後までお読みいただきありがとうございます💛