愛の見つけ方・すべてに感謝を~片割れの物語#5
セレちゃんの過去世の話の続きです。
もとの記事2つだけ有料で公開しています(なぜか)
あとは無料です。
わかりにくいので各記事のタイトルに番号をつけました。
☆☆☆
*()は私です。
「すべてに感謝を」
これは友人に教わった。
彼は色々なことを教えてくれた。
(友人って?)
海岸で僕を助けてくれた人だよ。
代々漁師の家系で、少数民族の血を引いていた。
彼は僕よりもずいぶん若かったが、
自然の叡智を知り尽くしていた。
彼の船は、どんな状況であったとしても、
いつでも大量の魚で溢れていたよ。
魚たちが、彼に獲らえられることを望んで寄ってくるんだ。
「人は、感謝することでその恵みをいただくことができる。
一見不都合なことが起こっても、
神は必ずそれを乗り越える知恵を与えてくださる。
その困難を、自分への恵みとして
感謝の気持ちで受け取ることができたなら、
今以上の豊かさを受け取れることが保証される。」
わかるよね。
すべてはバランスで、悪というものはないんだ。
(わかってる。私の忘れたかった過去の出来事だって、
今はそれが何のために起こったのか、理解してる。
それがどんなに苦しいことだったとしても。)
君は素晴らしい。
そうなんだよ。
そのとき僕は、彼の言葉を自分に当てはめてみた。
君とのことだよ。
君に出会ったのはもちろん僕にとっての恵みだった。
でもそれ以上に、君と離れて苦しんだ日々は
僕が愛を見つけるための
神からの最高のプレゼントだったんだ。
海の中で、僕は君の愛を受け取った。
その愛は揺るぎないものであったし、
時空を超えて僕と君を繋げる絆だった。
僕は書いたよ。
愛についての言葉を。
愛の物語を書き続けた。
きっと君にも届くと思って。
「愛はあらゆる障害を越え、人々の心に到達する。」
そう心の中の自分が、僕に語りかけた。
友人は僕の最初の読者だった。
僕に出版社に持ち込むように勧めてくれたのは彼だよ。
地方の小さい出版社だったが、時々大都市の書店にも流していたんだ。
数は多くはなかったけど。
(それで偶然にもマリアのところに本が届いたって、
まるで奇跡じゃん?)
愛は奇跡を起こすんだ。
しかし偶然のように見えて、
それは宇宙が織り成す絶対的な力によって
計算し尽されたものではあるんだけど。
見えない糸が、僕らを繋ぎとめていた。
なぜなら僕らはひとつだからだ。
僕の世界は君がいることで完成する。
物質的な繋がりとは関係ない。
どんなに離れていようとも、僕らはひとつの「まる」なんだ。
それはお互いが認識してもしなくても変わらない。
ただそこには、歪みが生じる場合がある。
愛が、純粋なものでない場合。
執着や、エゴが肥大した愛は取り扱いが難しい。
(条件つきの愛ってこと?)
そう。
愛は無条件でなければならない。