溶け合う~片割れの物語#8
守護ガイドのセレちゃんと私の過去世エミリオとマリアのお話です。
なぜか最初の記事2つだけ有料で公開しています。
このシリーズ、マガジンにまとめました。
今回は私の過去世、マリアです。
☆☆☆
*()は私です。
(エミリオが去ってあなたはどうしたの?)
悲しかったわ。
死んでしまいたかった。
私、死のうとしたのよ。
でも怖くてできなかったの。
(悲しみからどうやって立ち直ったの?)
長くかかったわ。
何年も屍のように生きていた。
娘が生まれたのよ、彼女は天使だった。
彼女のために強く生きなきゃって思ったの。
だから私なりに幸せになる方法を探したわ。
良い母親、良い妻になろうとしたの。
娘は可愛かったし、夫も優しい人だった。
これが私の幸せなんだと思った。
でも胸にはぽっかりと穴が空いたまま。
娘が小さいとき、空を見て言ったの。
「ママ、お空に誰かいるの。ママのことを探してる。」
そのときは何のことかわからなかった。
偶然本を手にしてから、
愛についてもっと深く考えるようになった。
なぜ彼が私の元を去ったのかも理解できたわ。
あれは私たちの物語だったの。
(エミリオのことは探さなかったの?)
出版社に手紙を出した。
本の作者のことが知りたいって。
でも返事はなかった。
でも平気だった。
あの夢。
あの夢が私を変えたの。
私たちは繋がっているって思えたから。
娘が言っていた「誰か」って彼のことだったのよ。
私は彼に愛されていると感じたの。
その証拠に、
それはとっても不思議なことなんだけど…
毎晩のように私の中に彼を感じたの。
体がとろけそうになるくらい。
(それってセックスしてるみたいな?)
いやだわ、恥ずかしい…。
ええ、でもそうなの。
それはとてもとても深い愛なのよ、
彼は海のように私を包み込んだわ。
(でもそれはあなたの夫を裏切っていると思わなかった?)
ええ、最初のうちはね。
でも彼の愛はもっと、何て言うか、
男女の愛を超えたもっと大きなものに感じた。
夫から感じる愛とは違うの。
夫のことも真剣に愛したわ。
私はすべてを愛したいと思った。
他の人たちにも私のように愛を感じて欲しいって思ったの。
わかるでしょ?
愛は愛を生むのよ。
私が何かに夢中になって楽しんでいると、
家族が笑顔になるって知ってた。
結婚当初、夫は私のことをとても心配していたの。
だから私は自分の人生を楽しむことにした。
私が死ぬまで彼の行方は知れなかったし、
年齢的に生きているのかさえもわからなかった。
でも私は、
いつも夢を見たわ。
夢の中の彼は最後に見たときよりずっと若くて
何より光り輝いているの。
海の中で私たちは抱き合って、そして溶け合うのよ。
彼が私の一部になり、私が彼の一部になる。
彼と私は溶け合ってひとつになる。
私たちは海になるの。