愛の見つけ方~片割れの物語#4
セレちゃんが、自分の話を深堀って書けってうるさい😂
どうやらシリーズ化するみたいです。。
もとの記事2つだけ有料で公開しています。
☆☆☆
*()は私です。
(どうやって愛を見つけたの?)
導かれた。
(それはわかってるよ。どんなふうに?)
「体を鍛えろ」と言われた。
その頃の僕は、生きる意欲を失っていたから、
体力もかなり落ちていた。
教師をしていた頃に比べ、だいぶ老け込んでいたと思うよ。
君と別れてから食事にも興味を失くしていた。
一日何も口にしない日もあったくらい。
でも、鍛えるとなったら体力が持たない。
少しずつ食べるようにしたよ。
幸いなことに漁師たちから魚を譲ってもらえた。
(アルゼンチンの主食はパン?魚の他に何を食べていたの?)
もともとパンが嫌いだった。
食べると具合が悪くなる。
だからジャガイモとか、トウモロコシ、野菜を少し。
朝は漁師たちの手伝いをしながら、運動をした。
走ったり、まあ、今で言う筋トレだよね。
腕立て伏せとか、腹筋。
体力が戻ったところで、今度は
「何も考えるな」と言われた。
その頃の僕には瞑想という観念がない。
海岸でひたすら波を見ていたよ。
波の満ち引きに合わせて呼吸をしていると、
自然と頭の中が空っぽになった。
君のことを考えないで済むのは、とても楽だった。
一日の多くの時間を海岸で過ごしたよ。
雨で外に出られない日は窓から外を見ていた。
雨音を聞きながら、雨が地面に落ちるのを見ていた。
雨が止むと、外に出て空を見上げ、風の音を聴いた。
風が肌を撫でるのを感じた。
そういった時間を持つことで、心の中が穏やかになってくるのを感じた。
思考が暴走しなくなった。
そうしたらまた書こうという意欲が湧いてきたんだ。
自分の中にあるものを言葉にした。
最初は、愛の言葉なんてひとつも出てこなかった。
出てきたのは後悔と悲しみ、
そして自分に対しての怒りだった。
(わかるよ。自分を押し殺してきたことの怒りだよね。)
そう。
あらゆることの吐き出し。
その間、信じられないほどの涙が流れた。
そして気づいたよ。
今まで経験してきたあらゆることが、今の自分を創りあげているんだって。
(マリアのことは忘れられたの?)
いや、忘れられるはずもない。
祈ったよ、神に。
君がただ幸せに暮らしていてくれればいいと。
心穏やかに生きていてくれさえすればいいと。
(逢いたくはなかったの?)
逢いたかったよ、そりゃあもちろん。
でもあのとき、海の中で見た君の姿、
僕を抱きしめた君の温もり、唇の感触、
あれは本物だった。
僕らは繋がっている、
そう確信した。
僕は君の愛を感じたし、
僕の愛は君に伝わっていると感じたんだ。
だからもう多くは望まないと決めた。
必要なら、神は僕らを引き寄せ合う、そう思ったんだ。