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幼児期の運動が社会性を育てる:根拠に基づく育児のヒント

近年、子どもの運動能力の低下の話をよく聞くことがあるかと思います。
現在子育て中の方々はその現状を中々実感できないかと思いますが、様々な研究機関や学校などで乳幼児期の大切な発達途中での運動能力の低下が報告されており、現在子育てをされている保護者の方々が後に知ることになって「遅かった!」、ということもあるかもしれません。
問題は、運動能力の低下だけではなく、運動能力が低下することで諸関係に至る様々な問題を引き起こす可能性があるということです。
子育て中の今だからこそしっかりと考え、大事な乳幼児の子育て中に実践しておきましょう。

まずは、以下のような研究結果があります。


幼児の体力・運動能力に関する現状と課題

https://www.jstage.jst.go.jp/article/hcs/2020/30/2020_825/_pdf/-char/ja

厚東 芳樹 ,桒田 七奈美 , 大妻女子大学家政学部

子どもと運動機能に関する研究は少なくない

問題点
幼児の体力・運動能力の低下: 経済成長に伴う生活環境の変化により、幼児の運動量が減少し、体力・運動能力が低下している。
運動嫌い・スポーツ嫌い増加: 自発的な遊びの減少や、画一的な運動プログラムの実施により、運動嫌い・スポーツ嫌いの子どもが増加している。
体力・運動能力の二極化: 運動する子としない子との間で、体力・運動能力の差が拡大している。
長期的な視点での研究不足: 幼児の体力・運動能力の向上を目的とした運動プログラムの多くが短期的なものであり、長期的な効果については不明な点が多い。
「遊び」の重要性: 大人が介入した運動プログラムよりも、子どもの自発的な「遊び」が、体力・運動能力の向上に有効である可能性が高い。しかし、「遊び」の種類や環境など、より詳細な研究が必要。

上記の研究結果を大規模言語モデルで問題点を抽出

今後の展望
幼児の体力・運動能力に関する基礎研究の推進: 体力・運動能力の構成要素の解明、発達過程の解明など、基礎的な研究を深める。
多様な運動プログラムの開発と評価: 子どもたちの興味関心に合わせた多様な運動プログラムを開発し、その効果を科学的に評価する。
家庭や地域社会との連携: 家庭や地域社会と連携し、幼児の生活環境全体で運動を促す取り組みを推進する。
長期的な視点での追跡調査: 幼児期から児童期、青年期にかけて、運動経験がその後の人生にどのような影響を与えるのかを長期的に追跡調査する。


これらの課題を解決することで、より多くの幼児が楽しく体を動かし、心身ともに健やかに成長できる環境づくりが期待されます。

上記の研究結果を大規模言語モデルで今後の展望を抽出

上記の研究結果を踏まえ、保育現場から日頃感じる子どもと運動機能、それに伴う社会環境への適応性について述べてみたいと思います。

ルールがある運動する必要性

基本ルールを守る
順番を守る
チームを尊重する
等規律を守る必要ができて、それしなければ、その運動が成り立たないものを経験することはいいと思います。
自我だけを優先していては成り立たないものがあるということを知るいい機会です。
また、その運動なりの楽しさがあります。楽しさを経験すれば病みつきになると思いますし、楽しさには制限がありません。創造の枠が広がります。再現性がないことも楽しさの一つではないでしょうか。

集団での運動の必要性

「ルールがある運動の必要性」と被るところが多いですが、他者を尊重し、ルールを守ってこそ楽しめる運動があります。
一人でする運動(三輪車、なわとび…)
1対1でする運動(キャッチボールの類など)
以外に幼児期には集団でする運動を経験する必要性があります。
ドッチボール、各種鬼ゴッコなど。
我慢する力は、運動を通して育つことが期待できます。
集団での運動は「遊び」の要素が多いので子どもも大好きでしょう。
コミュニケーション能力が育つことも望まれます。

ボール遊びをする必要性

近年ボールを上手に扱えない子どもが多くなってきたように思えます。
正直、保育園在園時間だけでは時間が少なく全部の遊びはできません。是非保護者の方々が休日に意識してボール遊びを一緒にして頂けたらと思います。ボールのキャッチボール、サッカーボールのパスのやり合いなど。
何故ボール遊びが必要でしょうか。
器用さ、空間認知、身体の各関節の使い方、それぞれに効果があります。
集団遊びと共通することですが、
普段から転んでないと上手に転べない体になります

ルールが分かるともっと楽しい

様々な体験ができる可能性を初めから除去しない大切さ

何事においても最初から上手にできる人はいません。失敗を重ねて上手になっていくのがむしろ普通でしょう。
初めに上手く行かなかったからと言って、すぐに諦めてしまって「これ、したくない!」と子どもが言ったとき、その言葉を「尊重」するというのは聞こえがいいですが、大人としてもう少し練習する方向に促す言葉がけができるか否かでその子の将来が決まるとなると大人の関わり方の重要性がいかに大切か分かりますよね。
大人=人生の先輩であり、教師、でもあります。
もちろん、強制はNGです。←難しいですね。

そして、体験を積むことが経験となります。
ゲームやバーチャルの時代で今後もそのような世界が加速していくことは間違いないですが、子どもの頃にこそ生身の身体を使った体験をどれだけできるかは後の大人になった人生でもきっと役に立つことでしょう。
問題解決能力、コミュニケーション能力、自発性、創造力、など大人になって必要な能力を乳幼児期の頃に如何に育てられるかは、この運動を通してどのような体験を積めたかは一つの目安になるかもしれません。
運動と言っても何も特別なクラブに入る必要はありません。
子どもは遊ぶことが大好きです。一緒になって体を動かせばそれでいいと思います。

運動嫌いへのお子さんへの対処

運動嫌いというお子さんがいます。確かに苦手なお子さんはいます。
無理強いはNGですよね。
運動にもいろいろな種類があります。運動嫌いなお子さんには、集団やボールや個人、なんであれこちらの価値観を無理に押し付けることだけはしないでおきましょう。
運動嫌いのお子さんにもそのお子さんなりに得意な運動が何かあると思います。それを伸ばしましょう。
ボクの息子は、球技、集団運動、個人技どれもダメでしたが、乳児の頃からやっていたスイミングだけはずっと続けていて、記録はともかく中学生の頃には個人メドレーができるようにまでなっていました。それでいいと思います。
多様な運動を体験し、得意なところを伸ばす。それでいいと思います。

まとめ

近年、幼児の運動能力低下が深刻な問題として浮上しています。この問題の背景には、生活環境の変化による運動量の減少や、画一的な運動プログラムの実施などが挙げられます。

運動能力の低下がもたらす問題運動嫌い、スポーツ嫌いの子どもの増加
体力・運動能力の二極化
将来的に様々な問題を引き起こす可能性(自信喪失、鬱状態、人間関係の悪化など)


解決策
幼児の体力・運動能力に関する基礎研究の推進
多様な運動プログラムの開発
家庭や地域社会との連携
長期的な視点での追跡調査


保育現場からの提言
ルールのある運動を通して、規律や社会性を学ぶ
集団での運動を通して、コミュニケーション能力を育む
ボール遊びを通して、器用さや空間認知能力を養う
運動嫌いの子どもにも、得意な運動を見つけて伸ばす


保護者へのメッセージ
休日に子どもと一緒に体を動かす時間を増やす
子どもと一緒に様々な運動を体験させる
子供の興味関心に合わせた運動を選んであげる
運動を無理強いせず、楽しく運動できる環境を作る


運動の重要性

運動は、子どもの心身の健やかな成長に不可欠です。運動を通して、子どもたちは様々な能力を身につけ、豊かな人生を送るための基盤を築くことができます。

幼児期の運動経験は、その後の成長に大きな影響を与えるため、家庭や地域社会全体で子どもの運動を促進する取り組みが必要だと考えています。


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