マガジンのカバー画像

落語の話

20
運営しているクリエイター

記事一覧

「米津玄師/死神」の話

「米津玄師/死神」の話

ぷらすです。
「落語の話」という僕のマガジンの中に収録されているテキスト落語という、落語を文章に書き起こしたシリーズは、アップしてからずいぶん経った今でもたまに読んで下さる方がいらっしゃるようで。その中でも「死神」という話の書き起こしはありがたいことに今だにスキを頂く事も多いです。

で、最近またちょこちょこ「死神」にスキを頂いていて、はて何だろう?と思ったら、どうやら最近、米津玄師さんがリリース

もっとみる

noteユーザーの結希 遊さん( https://note.mu/yumeno_yuto )が、僕の書きおこした落語「死神」の朗読をYouTubeにアップしてくれましたよー!!
とても達者な語りでグイグイ引き込まれました!
ぜひ、ご視聴下さい!
https://www.youtube.com/watch?v=ZDygIHDQFEE&feature=youtu.be

嬉しいお知らせ・:*+.\(( °ω° ))/.:+

嬉しいお知らせ・:*+.\(( °ω° ))/.:+

ぷらすです。

先月、

シャープ株式会社様よりメールを頂きました。

シャープさんで発売中のロボット型携帯電話「ロボホン」

ロボホンには名作文学を読み上げて、読み聞かせを行う機能(というかサービス?)があるらしいんですが、その中の一本として古典落語の「寿限無」で、僕のマガジン「落語の話」の「テキスト落語 寿限無」を台本に使わせて欲しいという旨の内容でした。

もちろん、僕的には何の問題もなくて

もっとみる
テキスト落語「死神」

テキスト落語「死神」

 昔から、流行り廃りなんて事を言いますが、これは何も人間ばかりじゃなく神仏にもありまして、神様といっても中には有り難くない神様もあります。
 疫病神、貧乏神、疱瘡神、死神なんぞは、どうも人には歓迎されません。

「どうしたんだい、じれったいねこの人は。
 僅かばかりの金を算段に行って出来ずに、ぼんやり帰ってきてどうするんだい!」
「だって金がねえってんだからしょうがねえ」
「お前ぐらい意気地無しは

もっとみる
テキスト落語 「初天神」

テキスト落語 「初天神」

 子供というものは、赤ん坊の時分は何とも可愛いもので、ちょいとあやしてやってキャッキャと笑ってる顔を見ておりますと、こっちまで幸せな気分になったりするものですね。
 ところが、これがだんだん大きくなって、歩気回るようになり言葉や理屈を覚えるようになる。
すると、一体どこで覚えてくるんだか、言うことを聞かないんで、こっちが叱っても憎ったらしい屁理屈で返してみたり、そうかと思うと、自分の思い通りになら

もっとみる
「テキスト落語」寿限無

「テキスト落語」寿限無

「こんちわー、ご隠居いますかーい」
「はいはい、おや、誰かと思ったら熊さんじゃないか。まぁお上がりお上がり」
「どうも、ご隠居。今日はね、ちょいとお願いがあって来やして」
「ほう、 お前さんがアタシに頼みなんて珍しいね。なんだい?」

 ご隠居が聞きますと、熊さん珍しく神妙な顔で言います。
「他じゃねぇんですがね、実はウチの長屋にオメデタがありやして」
「おや! オメデタ。ほう、どういうオメデタ?

もっとみる
昭和元禄 落語心中の話

昭和元禄 落語心中の話

え、ドーモ。ぷらすです。

以前、今期観ているアニメを挙げるという記事をアップしたんですが、その中でもダントツに面白いのが『昭和元禄 落語心中』です。

アニメ化されると聞いたときは、正直、期待半分不安半分でした。
今まで古典芸能を扱う原作を、ドラマ、映画、アニメ化したものを観るたび、『古典芸能』の部分がおざなりだなーとガッカリしてしまうことが多かったからです。

ところが、本作の1話を観て、そん

もっとみる
「テキスト落語」文七元結

「テキスト落語」文七元結

 一、

 江戸時代の本庄だるま横丁に左官の長平衛という、大変腕のいい職人さんがおりました。

 しかし、千里走る馬には何かクセがあるもので。
「飲む、買う、打つ」の三道楽。
 中でも一番いけないのが、博打でございます。

 悪い仲間に誘われて、ちょいと遊びのつもりで手を出したつもりがすっかりクセになってしまい長兵衛、三年この方仕事をしていない。
 それでも勝てばいいけれど、負けが込むと仕事の道具

もっとみる
「粗忽長屋」の噺

「粗忽長屋」の噺

ぷらすです、こんばんは。
今回は、古典落語の枠を超え「哲学」の域に達した噺。
「粗忽長屋」の話です。

「粗忽」っていうのは、今風に言えば「間抜け」とか「おっちょこちょい」みたいな意味ですね。
で、この噺は短い噺だし、そんなに登場人物も多くはありません。
落語には、おっちょこちょいが何かしようとして失敗する『粗忽噺』というジャンルがあるらしいんですが、三代目 柳家小さん(1857~1930)は、そ

もっとみる
三代目 桂米朝の噺

三代目 桂米朝の噺

先日、人間国宝で戦後上方落語復興の立役者の一人である、桂米朝さんがお亡くなりになりました。

その時に、米朝さんの話を書こうと思ったんですが……、実は僕はあまり上方落語には馴染みがないんですよね。
北海道は、テレビで関西ローカルの番組もよく放映していて、僕も子供の頃から藤山寛美さんの「松竹新喜劇」や花紀京さんが座長時代の「吉本新喜劇」も観てましたし、お笑い番組もよく観てました。

その頃は上方落語

もっとみる
「まんじゅうこわい」の噺

「まんじゅうこわい」の噺

ぷらすです、こんばんは。

「寿限無」の時にも名前を出したんですが、今回の「まんじゅうこわい」は「寿限無」「目黒のさんま」などとともによく知られた噺で、東京では若手が鍛錬のために演じるいわゆる「前座噺」のひとつとされているそうです。

ストーリー

暇を持て余した若者たちが数名集まって駄話をしているうちに、それぞれが怖いモノを言い合うという展開になっていきます。

ある者は「クモが怖い」と言い、ま

もっとみる
「らくだ」の噺

「らくだ」の噺

ぷらすです、こんばんは。

今日は、僕が知る古典落語の演目の中でも、一番パンクな噺。
「らくだ」について書きたいと思います。

この「らくだ」というのは、砂漠にいるコブ付きのラクダじゃなくて、人のあだ名です。
といっても、そのあだ名の由来は動物のラクダなんですけども。(ややこしい)

1821年(文政4年)、江戸の両国に見世物としてラクダがやってきたんだそうです。今でこそ日本で知らない人はいないラ

もっとみる
「寿限無(じゅげむ)」の噺

「寿限無(じゅげむ)」の噺

古典落語で有名な噺は数々ありますが、その中でも特にタイトルが有名な噺といえば、「まんじゅうこわい」「時そば」そして「寿限無」だと思います。

例えば、テレビアニメ「じょしらく」エンディングテーマ「ニッポン笑顔百景」ではAメロの部分に「寿限無~」の名前がそのまま使われてたり、アニメにもなった高津カリノさんの漫画、「サーバント×サービス」の主人公「山神 ルーシー【以下略】」は、(多分)この「寿限無」が

もっとみる
二代目 桂枝雀の噺

二代目 桂枝雀の噺

ぷらすです、明けましておめでとうございます。

突然ですが、古典落語が好きです。

まぁ、好きと言っても、落語や落語家さんに詳しいわけではなく、ただ聴くのが好きっていうだけなんですが。

落語を観られるテレビって今はNHKか「笑点」くらいですけど、僕が子供の頃は民放でも落語の番組が結構あって、夜のゴールデンタイムに30分前後の大ネタをやってたりしてたものです。

で、基本、落語の名人ってみんな高齢

もっとみる