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ロングスリーパーの手取り人生
世の中にはショートスリーパーと呼ばれる人がいて、体質的に、1日に2~3時間しか眠らなくてもあまり疲れないのだそうです。
うーん。うらやましい。
仮に人生を80年だとすると、1日が24時間、1年は365日として、生まれてから死ぬまでの時間は80×24×365の70万800時間。
しかし、一般的な人の睡眠時間というのは6~7時間といわれる。寝ている間は息をしながら死んでいるのと似たようなものなので、6時間として計算すると、80×6×365の17万5200時間が総時間である70万800時間から差し引かれることになって、生きていられるのは52万5600時間にまで減ってしまいます。
まあ、数値が大きくてあまりピンと来ませんが、つまり、70万時間は生きられると思っていたのに、実際は52万時間しか無理だということ。
月の給与が20万円もらえると思っていたのに、実際は税金やら保険料やらをしょっぴかれて手取りは16万円くらいなのと似たようなこと。がっかりである。
それが、仮に睡眠時間が3時間のショートスリーパーであれば、しょっぴかれる時間が17万5200時間の半分の87600時間にまで削減され、61万3200時間を生きられる計算になる。一般的な人に比べて10万時間ほどのボーナスがあるということだ。ちくしょう。
かくいう私はというと、生まれてから14年、世を忍ぶ仮の姿としては30余年、ずっとロングスリーパーを貫いています。とにかく、寝ないと使い物にならない。
このテキストの冒頭部分はちょっと眠い時に書いたのですが、計算を2箇所ほど間違えており、70万800時間から17万5200時間を差し引いた数をなぜか68万と書く謎のミスをしており、いったんすべて消して最初から書き直しています。
というか、まだ何か計算を間違えているかもしれません。すみません、当方は高校以上の数学を全く学んでいない文系なもので。いや、掛け算と引き算なので、数学ではなく算数のレベルなんですけどね。それも小学低学年クラスの……。
このように、眠いとポケポケなのです。
今は眠くなくて頭がはっきりしているのですが、あらかじめ断っておくと、ポケポケというのはボケボケの打ち間違いではありません。ポケポケで合っています。アニメ『まもって!守護月天』第1話のサブタイトル「彼女はポケポケ」からの引用です。
生まれてから14年しか経っていない奴が1998年に放送されていた『まもって!守護月天』をリアルタイムで視聴しているのはどう考えてもおかしいですが、そのあたりは気にしないでください。
頭がはっきりしていてもこのように平気で1990年代のアニメのことを考えていたりするので、そもそも眠くなくてもポケポケだという説もある。それはともかく、原作の9~10巻のシャオは奇跡みたいにかわいい。
さて、よっぽど切羽詰まった用事がある場合を除いて、睡眠時間を削るという行為は絶対にせず、日に最低でも7時間、休日は10時間くらい寝る自分は、1週間のうちの5日間は7×5で35時間、休日が2日あるとして10×2で20時間、合計すると週の睡眠時間は55時間、それが4週間つづくとして、55×4の220時間。それを12ヵ月つづければ、220×12の2640時間。
2640÷24が110なので、年のうちの110日間は動いていない。年間の手取り日数は110日。365日の約3分の1。これはもうデモを起こさねばならない。
しかもこれはあくまで夜に眠る時間であり、二度寝や昼寝は計算に入れていない。実際にはもっと数値が大きいはずである。なんかもうやだ。数字だらけで眩暈がしてきた……。
こんな時は気分転換になるようなことをしたほうがいい。たとえばそう、少し机に突っ伏して寝……。いや、さっそく人生を無駄をしようとしてどうする。問題は、寝ている時は何もしていないからプラスにならないという点である。
たとえ寝ていたとしても、その間に難事件を解決する眠りの小五郎になっていたり、伝説の剣士ノビタニャンとしてユメミル国を救っていたのなら意味があるでしょう。
しかし、現代の技術では時計型麻酔銃も気ままに夢見る機も開発できそうにないので、この例はさすがに非現実的すぎる。
もっと現実を見据えて考えるとすると、行き着くところは「睡眠学習枕」なのではないでしょうか。
昭和時代の通販カタログによく載っていたという、伝説の枕。枕の中には教材のカセットが装備されていて、そのカセットを再生しながら寝ると、教材の内容が頭に入っているという、夢のような代物。
残念ながら現在はそれを入手する方法はないようだが、その代わりにスマホという利器とサブスクというサービスがある。
Spotifyは基本的に音楽を聴くためのサービスですが、ラジオや落語などのコンテンツもあり、さらには英会話のリスニング専門のチャンネルもあります。
少し前の晩、さっそくそれを聴いて、ベッドに入って英語の勉強をしてみたところ、10秒でストンと眠りに落ちることができました。内容は全く覚えていません。
それ以前に、スマホの充電をしていなかったせいで、フルで聴けていません。というかリスニング75分は寝ながら聴くには長い。というかやっぱり普通に寝たい。人生を無駄にしてでも寝たい。
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