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ぷらぷらり日記 2022.7.11〜12 愛媛県松山市

まーた例のアレが第7波だとか報じられていますが、行くならこのタイミングしかなかろうと思い、先週、愛媛えひめ県へと旅立ってきました。

6437京年ぶりに新幹線に乗り、岡山駅から特急しおかぜに乗り換え。ガラッガラのしおかぜ内で3時間。

瀬戸内海を越え、香川県の北部を越え、新居浜にいはまを超え、今治いまばりを越え、やっと終点の松山駅。

いきなりのアンパンマン。

ホームに出た途端に出迎えてくれるアンパンマンズ。

アンパンマンの作者であるやなせたかし先生のご出身は、お隣の高知県なのですが、どうも四国の全県が一丸となってアンパンマンを推しているのかな?

むかし行ったことのある高松駅にもアンパンマンがいた覚えがあるし。

昭和の匂いを残す駅舎。

JR松山駅。

看板の文字が旧字体。この駅舎は1953年に完成したものだそうですが、近いうちに駅を高架化するとのことで、取り壊されるかもしれない。

松山市内ではJRよりいよてつの方が偉いらしい。

JR松山駅から少し歩くと、伊予鉄道(通称いよてつ)の路面電車の姿が見えます。写真のものはモハ51号という種類ですが、もっと現代的な流線形のデザインのものもありました。

さっそくこのいよてつに乗って松山城に向かおうとしたのですが、乗った電車は松山城の裏手にあたる清水町とかいうところを経由するルートを走る電車だったらしく、松山城の入り口からの最寄り駅である大街道とは逆方向に行ってしまいました。

清水町はごくふつうの住宅地でしたが、どうも地図を見ていると、松山城を裏手から登れるコースもあるっぽいので、そこを目指して徒歩15分ほど。

本当にただの住宅地の横。松山城の入り口の看板も何もないけど、ただ石の階段だけがある。

そこから忍者のごとく城の敷地内に入り込み、ほとんど整備されていない急な山道を15分ほど突き進む。 

正規のルートではないので、案内板とかは何もなし。

周りが街の中心地ではあるので、車の流れる音だけは聞こえる。やがて、城の姿が見えてきました。

いやー荘厳ですな。
この夜景だけで、松山城まで登った疲れが取れる。

宵闇に輝く松山城と、その高台から見える松山市の夜景。

いよてつの乗り方をミスって松山城を裏から登るとか初っ端から情けねえなあと自分にムカついていたのが、一気にどうでも良くなった。

むしろこんな予想外の映え写真が撮れるなんて幸先いいだろ。ひとりで謎にテンションが上がり、歴史好きの友達に、夜の松山城はいいぞとその場でLINEを送る。

反対側から見える煙突も目立つ。

夜の松山城から下山して、少し辺りをフラフラ。どうやら付近には寿ことぶき温泉と清水湯という銭湯があるが、清水湯は今日はお休みのよう。というわけで、寿温泉へ。

入口の横に自販機のような券売機があり、そこで入浴券を買う方式。410円。安い。

ここは奥道後おくどうご源泉から温泉を運んできているらしく、掛け流しではありませんが、銭湯の料金で温泉を楽しむことができます。昭和30年の創業だそうですが、さすが昔ながらの銭湯というか、お湯は熱め。43〜44℃くらいかな?

大街道おおかいどうという松山の中心地には格安ビジネスホテルがあるそう。さっきLINEを送った友達から電話がかかってきたので、話しながら歩く。

しばらくすると大街道に着いていました。

その友達は日本全国を飛び回る仕事をしていて、松山にも一度おとずれたことがあるそうなのですが、じゃこ天という名物があることを教えてもらう。  

電話中だったので大街道の写真はありませんが、まあクソデカ繁華街でした。

そんな感じで初日は終了。就寝……!格安ビジネスホテル……!

さて。2日目です。大街道からいよてつに乗って、松山市駅まで。

松山市駅はショッピングモールの高島屋と繋がっており、むしろJR松山駅よりもこの周辺の方が都会っぽい。こちらも写真がありませんが、なぜかというと、ここで非常に重大な失態を冒していたことに気づいたからです。

松山市駅と銘打っているくらいだから、JR松山駅から大して離れていないだろうと思っていたのです。実は、徒歩20分ほどかかる距離だったりすることが、ここで判明。

じゃあ歩くかあ……と、ぼんやりと進むこと15分ほど。なんとなく、直感的に、ここは違う気がすると思ったのは、大きな川を越えた頃。

どうやら、ここは石手川というらしい。少し歩くと、石手川公園というところがあるらしく、地図上ではその横に、いよてつの石手川駅が。

松山市駅の北にあるJR松山駅を目指したつもりが、完全に逆方向を進んでいたことがここで判明。

さっそく石手川駅から電車に乗り、松山市駅に引き返そうとしたら、なんとまあ、自分が予想していたのとは違う方向に進み、衣山きぬやま駅というところに来てしまう。いよてつムズい。

ヤケクソ気味に衣山駅で下車し、いったい何をどう間違えてこうなったと地図を見て頭を抱えていたところ、この近くにスーパー銭湯?を発見。

手前にはクソデカ駐車場。

久万くまの台温泉。

入浴料500円。ボディソープ・シャンプーの備え付けはありませんが、入り口の受付みたいなところで必要かどうか訊かれます。

ボディソープを切らしていたので買おうとしたのですが、石鹸しかないとのこと。むう。世の中にはボディソープのほうがありがたい人も存在するので、石鹸の他にボディソープも揃えていただくとありがたいのです。

さて、浴場はいうと、これが当たり前のように温泉。岩風呂のコーナーと檜風呂のコーナーに分かれ、ほとんどホテルの大浴場。しかも午前中だからなのか、人が少ない。

全体的に室内が暗いのですが、サウナ内だけは目眩がしそうなほどに明るい。普通ならこれ、逆にして欲しいと思ってしまうのですが、午前中に明るいサウナに入るという不思議な感覚がおもしろい。

サウナ内はテレビもBGMもなし。朝からなんでここにおるんだ私は?という現実逃避は充分にできた。ととのい度は正直なところ微妙だったけど。地元にあったらリピートする。

湯上がりのすっきりした頭で地図を見返すと、JR松山駅までのルートが突然すっかりわかってしまいました。煮詰まった時は風呂に入るべきなんだな。  

というわけでJR松山駅まで歩き、至近距離にある、いよてつのJR松山駅前駅(ややこしいな……)へ。

ここからは、道後温泉駅ゆきとしっかりプレートが掲げられた電車が出ている模様。

終点が道後温泉ならとりあえずこれに乗ればいつかは辿り着けるのでしょう。というわけで乗り込んで20分ほど。

道後温泉ゆきの電車は途中で大街道駅を経由することがここでわかり、いよてつはとりあえず道後温泉ゆきに乗って大街道で下りればたぶんなんとかなるっぽいという知見を得る。それより南側に関しては知らん。

さりげなく溶け込むスターバックスコーヒー。

伊予鉄の道後温泉駅。

駅舎がおしゃれ。1895年に道後鉄道の駅として開業して以来、100年以上の歴史を誇る駅である。現在の駅舎は1986年に建立されたものらしいけど、旧駅舎を忠実に再現したとのこと。

ここから風情あふれる温泉街が続くのですが、ほんの手前数十メートルまでは、ふつうの市街地だったりします。

フジという商業施設があり、スーパーやダイソーが入っています。このフジというのは四国にたくさんあるらしい。近畿でいうイズミヤみたいなものか。

本館よりこちらのほうが観光地っぽいなあ。

さて、道後には3つの温泉があります。

ひとつは道後温泉の本館で、映画『千と千尋の神隠し』で湯婆婆がいる場所のモデルになったところ。ふたつめは椿の湯といい、地元の方々のメインユースはここなのだそう。そして、別館にあたる飛鳥乃あすかの湯泉。

まずはここへ。入浴料610円。

仕組みが基本的にスーパー銭湯と同じなので、本館よりもこちらの方が行きやすいと思います。銭湯は好きだけど本格的な温泉地には慣れていない自分のような者は、ここに先に入って慣れておこう。

大きな浴槽が2つ。当然のように、どちらも温泉。お湯はわりと熱め。広さはありませんが、半露天エリアには、浴槽に並行して横になれる場所もあります。

しばらく湯に浸かった後、意外と空いていることもあって、そこで思いきって横になってみる。そして、今ここに自分がいるのは確かに道後温泉なのだということを確認してみる。そして、………………。

すみません。知らんうちに寝ておりました。なんか、自分でもなんかわからんけど、思いっきり寝ておりました。

さっきまで、あの道後温泉に自分がいるということで緊張していたはずなのですが、どうもそれが一気に解けたのか、一糸まとわぬ姿で寝ておりました。それもけっこう長いこと……30分くらい……。

温泉の感想としては、うーん……なんかよくわからんかったけど、知らんうちに寝てしまう効果は確かにある。

1個250円。

半分くらい寝ていた飛鳥乃湯泉を出ると、昨夜に友達との電話で聞いたじゃこ天を売っている店を見つけたので、さっそく買ってみる。

一見すると厚揚げなのですが、中身はカマボコの食感。けっこう癖になる感じで美味しい。

じゃこカツというのも買って食べてみたのですが、これは表面はコロッケっぽいパン粉で揚げた感じで、中身はやっぱりカマボコで、これもイケる。 

宇和島うわじま地方などの家庭では、おでんにこのじゃこ天がよく出てくるらしく、うどんに乗せたりすることもある模様。

「こんなうまいものはじめてたべた」と、おもちを初めて食べた時のドラえもんの気持ちになりつつ、このすぐ裏側にある、例のあの場所へ。

威圧感よ。

道後温泉本館。さすがの豪奢な面構え。強い。現在は改装中とのことで、上部にある休憩所は使えないそうです。

2種類ある浴室のうち、現在はいれるのはたまの湯のみ。ここは階段を下ったところにあり、少し妖艶な雰囲気があります。

浴槽は、石造りのものがドーンとひとつだけ。ふつうの銭湯みたいに設備が整っているわけでもなく、洗い場は10人いれば芋洗いの状態だし、浴槽に同時に入れるMAX人数もたぶんそのくらい。

かつて夏目漱石なつめそうせき先生がドハマリしたという湯ですが、いやあ熱い。甘ったれた現代人からしてみれば水風呂が欲しいところですが、古代の風呂にそんな気の利いたものはない。

滞在時間は20分ほどかな。待っている人もいるでしょうから、あんまり長居はせず。というか、スペースが小さいのでしようと思ってもできないけど。観光客ばかりかと思いきや、地元のご老人のような方も結構いらした。

上部は改装中。

風呂っていいものですなあ、と。

もうひとつの椿の湯は、時間的に厳しかったので訪れていませんが、これは次の楽しみということにしておきます。そして、次こそは、いよてつをマスターするんだ……。

渋すぎる。

おまけ。JR松山駅のトイレの、レトロな表示板。もしかして開業当時からのものだろうか?  

夜に行くなら懐中電灯orスマホは必須。

おまけ2。裏ルートから見えた松山城の後ろ。裏ルートはそれなりに山道だけど、ものすごく険しいというわけではないので、興味があれば裏から行ってみましょう。大街道駅側から行くほうが絶対にスムーズだし、9割の人はそうだろうけど。

温泉街のロッカーにもポエムがあった。

おまけ3。道後温泉の近くの坂道。唐突に現れるポエム。

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