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仲村ぷる #短編小説
2024年6月28日 15:08
牧田さんが「そうに違いない」と言うのでハルミは頷いた。給湯室で他人と出会ってしまうというのはそういう事である。緑茶を淹れる仕草をしながら、相手の愚痴やら悪口やら弱音やらを聞く。ハルミに出来るのは頷くだけである。「じゃあね」と牧田が言ったのでハルミは緑茶の缶を戻し、インスタントカフェオレの小さな袋を取り出した。ハルミは甘いものが好物である。袋から粉をマグカップに入れてポットからお湯を注ぐとインス
2024年6月8日 14:08
雨は強くなり、サヤカは窓の外を眺めるとため息をついた。この後サヤカは郵便局に行かねばならず、傘は折りたたみの小さな日傘兼用のものしかない。 営業の者が車に乗せてくれないかと考えたがあいにくみな出払ってしまっている。 サヤカは覚悟を決めると郵便物を手に席を立った。 あの日もこんなふうに土砂降りの雨だった。赤いスポーツカーの中で三周した、ゲームのような電子音を繰り返す音楽にサヤカは辟易