マガジンのカバー画像

短編小説1000字

100
大体1000字くらいの短編小説です
運営しているクリエイター

2023年7月の記事一覧

短編小説 ヤスコ

 孝弘が裸のままベッドを抜け出し、カーテンを開けると今日は快晴だった。釣りにでも行くかと考えながらベッドに戻り、枕元のペットボトルを手に取る。まだすやすやと寝息をたてている女を眺めながら水を飲む。女の名前はヤスコと言う。ヤスコについて知っているのは身体以外はこの名前だけだ。
「ヤスコ」
 名前を呼ぶとヤスコは薄目を開ける。ぼんやりしている。孝弘は水を飲みながらヤスコの乳首を指で触った。身を捩り、布

もっとみる