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短編小説1000字

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2023年5月の記事一覧

短編小説 隣人

「最後に一度、ヤラせてくれよ」と隣の部屋の男は確かに言った。最低だなと思ったが、首を横に振る女から目が離せなくなる。男が女の手首を掴んだ。思わず私は喉が鳴る。

 壁の隙間から光が差しているのに気づいたのは半年ほど前だった。光に手を伝わせてみると、隣の部屋の中が見えることに気がついた私は時々こうして向こうに視線をやる事があった。理由なんてない。私は一人で寂しかったし、隣の男の生活音はうるさかった。

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