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短編小説1000字

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2023年3月の記事一覧

短編小説 待ちかねて、春

 カクタさんの送別会の帰り道、沙都子はコンビニに寄った。酔いを覚ますのに水でも欲しかった。あの忌まわしい送別会のことはさっさと忘れてしまいたかった。

 手酌が一般的な昨今、カクタにお酌をしながら肩を揉まれていた沙都子はこのクソジジイが次の職場でぼっちになるように呪いをかけてきた。
「いい人はいないのかね」などと言われるうちが花と思い笑みを返した。「やぁだ、セクハラですよ」と軽く流したつもりだった

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