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短編小説1000字

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2022年12月の記事一覧

短編小説 ラーメン食べたい

 凪は横になったまま右手を伸ばした。指先に買い置きのペットボトルが触れてひんやりとする。ため息をつく。もうこの世が終わってしまえばいいと思う。
 客商売なので、土日は忙しい。水仕事なので、手はあかぎれを起こしているし指先はじんじん痛む。好きで始めた仕事だが、こういう副産物に慣れる事はない。右手の方に身体を向け、左手で右手をさする。あかぎれに触れると痛かった。

 トイレから水を流す音がする。晴樹は

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