シェア
仲村ぷる #短編小説
2022年10月19日 15:01
トイレから出られなくなった。 鍵は自分で掛けたものだし、トイレットペーパーで既に拭いた。けれど立ちあがろうとするとお腹が急にキリキリ痛む。痛みを収めようと再び息む。すると空気も出ないのでため息をつく。 立ちあがろうとする。キリキリした痛みの繰り返しである。参ったなぁ、と独りごちペーパーホルダーに手をやる。勢いで立ちあがろうとの算段である。足に力が入らない。こうしてトイレに篭って十分は経ってしま