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短編小説1000字

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2021年4月の記事一覧

短編小説 はじまる

もっと楽しみにしておけばよかったな、とユキは思った。昨日のデートの話である。
マッチングアプリでやり取りをして、LINEを交換し、昨日初めて会ったのである。画像の交換は済んでいたがニチカを見つけるのにしばらくかかった。ニチカは会ってみれば写真の通りの男だったが思ったより派手さは無かった。
「こっち」
とニチカの言う店に向かう時、さり気なく手を繋がれた。
「はぐれないで」
笑みを向けられれば頷

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