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短編小説1000字

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2020年10月の記事一覧

短編小説 プレゼントフォーユー

裕子は悩んでいた。プレゼントを送りたいが何を贈ったらいいのかわからないのである。プレゼントは交換する事になっている。しかし、彼には欲しいものが沢山あるのである。
裕子は悩んでいた。自分に欲しいものが無いことを。コスメなら少し欲しい。本でもいい。コートでも。ただ、こだわりの部分というか、細かい好みが彼に伝わるとは思えなかった。
「一緒に買いに行くのはだめ?」
 彼に聞いたことがある。それでは贈っ

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