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短編小説1000字

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2020年5月の記事一覧

短編小説 バランス

拓司がお土産に唐揚げ弁当を買ってきたので二人で夕飯にする事にした。千夏は電気ケトルで湯を沸かす間にお茶っ葉を用意してマグカップを二つ取り出した。
拓司はマグカップは変だという。面倒な事を言い出したと千夏は正直思った。
弁当は出来合いで、お茶はマグカップ。千夏にはバランスがとれているように思えた。休みの前の日の夕飯である。なんならインスタント味噌汁をマグカップに溶いても良いだろうとすら思う。
「箸は

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