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親ガチャと家庭格差。〜翼をもがれた天使を添えて〜

人生親ガチャ。
そう思わずにはいられない。
生きるたびに実感する苦い格差のミルフィーユ。
生まれる場所はガチで大事、僕がそう思うのには理由がある。
単純に言えば、高学歴で優しくお金のある親の元に生まれたら人生イージーモードで、暴力暴言罵詈雑言が止まらない毒親の元に生まれたら人生ハードモードだからだ。
まず。
日本に生まれた人は、だいたいが学生時代を過ごす。
小学校、中学、高校、大学。
人によっては学部卒だけじゃあ飽き足らずロンダだったり純粋なキャリア形成や研究のために院進するのだろう。
でも、だけれど、どれだけ日が暗くなるまで無邪気にはしゃいで遊んでいた純粋無垢な小学生でも、思春期を経て厨二病になったり暗黒期を迎えたりしていつかは汚い大人になってしまう。
昔はあれだけ可愛かった笑顔を見せてくれたのにも関わらず。
で、その大人、というか青くさいガキ上がりのだいたいの大学生はビッシリと揃えられた黒いリクルートスーツを身に纏い、アリの兵隊みたいに一列に並んで日本特有の文化である新卒就職をするのだ。
そう、独立とか起業しなければみんなどれほどケーキ屋だの花屋だのプロスポーツ選手だの夢を語って作文とかにもしていた筈なのに一般企業に勤めることになる。
企業というのは、人を止める業と書いて企業だ。
無邪気に遊んでいた可愛らしい小学生は人を止める業に取り込まれ、更に心の汚らしい大人になるのだろうな。
で、ふと思った。
どうせ新卒就職するなら足切りフィルターに掛からなさそうな、なるべく高い学歴がいいんじゃねーのって。
で、その高い学歴とは名前だけで様々な憶測と偏見が広がっているでお馴染みの東京大学だ。
東大の難易度云々は置いておいて、あまり世間(世間って範囲がどこだか分からないから難しいよね)では話題にならないだろうが、東大生の殆どは中高一貫の名門進学校卒である。
理論上どの高校の卒業証明書でも東大は受け付けて受験資格を与えてくれるのだが、それはあくまで理論上の話で学習環境を整えるとかになるとやはり出身高校もっと戻れば出身中学は大切になってくる。
都内在住の小学生6人に1人は中学受験をするこのご時世だが、中学受験をするのなんて小学生の努力以前に家庭が裕福かどうかだ。
どれだけその小学生のいわゆる地頭が良くて才能があって我慢強くても、中学受験のチャンスが与えられなければ才能を発揮する場すら与えられない。
精々中学受験なんぞより全然カンタンな小学校のテストを解いてみんなと100点自慢するだけである。
そんな小学生に残された選択肢はローカルルールで閉鎖された地域性の強い高校受験だけ。
高校受験の内申点制度や公立中の治安の悪さを考慮すれば高校受験で成功できるのにはまた別の能力が必要になってくる気がする。
私立中学の受験なんてのはいじめられっ子の不登校にも優しいのに、高校受験は優しくない。
でもそれを左右するのはやはり親だ。
子供がいくら頑張った可哀想な子でも親がクソで毒だったら報われない。
親に学がなくて教育の価値に理解を示さなければ、ただの有象無象として寂しく人生を終えていくだけだ。
しかも中学受験をさせてくれたとしても暴力暴言罵詈雑言や包丁が飛んでくるような家庭だったりしたら結局アウト、そんな家庭環境でいい成績が出るかは疑問である。
そんな地獄はつゆ知らず。
同世代の上層階級の奴らはアハハはと呑気に楽しく暮らす。
低学歴の人なんて伝説上の御伽噺、それでいて低学歴は単に努力が足りないとほざいて偉そうに不自由なく生きるのだ。
格差、格差、格差、格差、格差、格差
右を見ても左を向いても格差は確実に迫り来る。
成功者がひょいと簡単に歩いた道は誰かにとっては転んだ道かもしれない。
上層階級の奴らが普段なら躓くわけないところで、可哀想な誰かは躓いたかもしれない。
「え、そんなことも知らないの、そんな簡単なことすらできなかったの」
格差は最も簡単にこの境遇を生む。
それでもまだこんな会話ができている分、同じ土俵に上がっているからマシかもしれない。
ほんとに重症だと、上層階級そのものの存在を知らなかったりするのだろうか。
地元の進学校は神の山で不可侵な未知の場所、自分なんかには到底届き得ない雲の上。
だったらそれよりも難しいらしい東大なんて自分には一生関係ない。
だから自分の子供にも関係ない。
その勘違いを格差は生む。
もうこんなのさぁ、親ガチャじゃね?
「お前には無理」
「才能ガー」
「雲の上」
そう言われ続けて、歪な形に洗脳され明るい未来すら否定されてしまって、それで自分に枷をつけて本当にそうなってしまったら、どう責任を取るつもりなのだろうか。
いや、責任なんて取らないか。
アドバイスならぬクソバイアスを投げつけてくる大人の形を辛うじて保っている泥人形に、責任なんて取れない。
「知らなかった」
「言ってない」
「覚えてない」
どうせそこら辺を言われてチープなマジシャンみたいに誤魔化される。
どうせ、「最終的にはあなたの意思で決めたんでしょう」と。
ただひたすら虐げられているままの弱っちいガキに意思なんてない。
子供部屋の片隅にあるのは高圧的な操り糸と死なない程度の水と食料。
中学受験だって高校受験だって、家庭格内差は出るわ地域格差は出るわで毒親育ちの可哀想な子にはちょっと酷すぎやしないか。
なぁ、こんなののどこが親ガチャじゃないんだ、親ガチャに決まってんだろもう。
被害は家庭内で完結して、やっと表に出されるのは可哀想な子どもが毒親に刺されて人生リタイアした時。
毒親にとってガキである未成年は(なんなら子どもが大人になってもガキ扱いなのだろうが)権利がないから、蹂躙されてぐちゃぐちゃにされる。
明るい未来を潰される。
まあ、少なくとも、何か僕が一つ言えるとしたら。
大学受験は高卒資格さえあれば何浪でもできるから、学歴コンプが治らないんだったら、志望大学に受かるまでやろうということだ。
高校受験なんてのは浪人がメジャーじゃないからそう簡単にはいかない。
中学受験は義務教育だから基本的にはまず無理だ。
檻から解放されよう、せめて新しい人生を楽しもう。
もう二度と、間違えないように。
権利を無視して脅かされないように。
そうじゃなきゃ、無敵の人予備軍爆誕まっしぐらさ。
押し寄せてくる格差の波にに苦しみながら、それでも腐らずに、どこまでも真っ直ぐな情熱で闘った勇者がいた。

そんな優しいあの子が生きてたことをせめて忘れないでほしい。

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